
八兵衛@京都。
1961年製造
国宝_石清水八幡宮_麓にて居を構える
モトクル歴
2025年6月21日初投稿
相互フォロー致します。
バイク歴は47年 (1978年~)
70台弱のバイクを乗り継いでます。
まだまだ煩悩は治まりませんね。
(自己紹介欄の文字数オーバーになったので
詳細のバイク歴は画像投稿コメントに)
GLCXFUNCLUB管理人 HPは休止中
またがり隊 NO8広報担当
現在所有
◉GL700 (オフ会用、レストア中)
◉シルクロードCT250 (林道、ツーリング用)
◉クロスカブCC110 (通勤、カブミ用)
◉CB50S (レストア中)
知らない間に絶賛ホンダ党
◉フェザー125 (息子、通勤用)
ソロキャンツーが趣味
親の介護で泊まりのキャンツーに行けないので
デーキャンプと
カブミーティングに
夢は
息子と娘と孫とでツーリングに










三国越えツーリング― 旅人の珈琲時間
宇治田原の町に着けば、まずは「たなか屋」の暖簾が迎えてくれる。
湯気立つうどんをすすり込むと、体の芯に力が宿り、気持ちが旅の速度に整えられていく。
木谷山では名物の抹茶ソフトクリーム。
濃厚な緑が舌の上でとろけ、苦みと甘みの余韻が涼風と交じり合う。
走りの途中に立ち止まり、味覚で土地を感じ取る――そんな瞬間が旅を豊かにする。
そして三国越林道へ。
木漏れ日を浴びながら曲がりくねる道を越え、たどり着いた展望台は、まるで天空の休憩所。
眼下には幾重にも重なる山の稜線。遠く霞む町並みと空の広がりに包まれ、ここでバイクを止める。
ザックから取り出すのは、旅人ならではの小さな相棒――アイロンストーブ。
金属の冷たい感触を手のひらで確かめ、カチリと火を灯せば、小さな炎が心を温める。
そこから始まるのは、ただの休憩ではない。珈琲という“こだわりの儀式”だ。
豆袋を開けると、ふわりと立ちのぼる香ばしい匂い。
手回しミルに豆を落とし、ハンドルを回す。
カリカリ、ゴリゴリと響く音は、エンジンの鼓動とはまるで違う、穏やかなリズム。
粒が砕けるたび、香りが濃くなり、空気が一層豊かに変わっていく。
お湯が沸き、ドリッパーに注がれる瞬間、ふくらむ粉の膨張に胸が高鳴る。
湯気とともに広がる香りは、道中に感じた森の匂いと混ざり合い、ここだけのブレンドとなる。
淹れたての一杯を唇に運べば、苦みと甘みが舌を撫で、肺の奥まで香りが染み渡っていく。
展望台で過ごすこの珈琲ブレイクタイムは、ただの休憩ではなく“旅そのもの”。
景色を眺め、炎を見つめ、挽きたての香りに包まれる時間は、走ること以上に心を満たしてくれる。
やがて夕暮れ、やぶっちゃの湯で一日の終わりを迎える。
湯に浸かれば、道中で張り詰めた神経もほどけ、ただ静かな幸福感に身を委ねるばかり。
――うどんの出汁、抹茶の余韻、珈琲の香り、温泉の湯気。
そのひとつひとつが、旅を織りなす糸となり、今日という日を美しい布に仕立ててくれる。
三国越えの一日は、走りとこだわりを重ねる旅人にしか味わえない、豊かな時間となった。
追記
三国越林道の三国って?
て調べると
三つの国にまたがった絶景スポット
伊賀の国(三重県)、山城の国(京都府)、近江の国(滋賀県)の三府県を結んでいる広域基幹林道「三国越林道」沿い。眼下には伊賀盆地が広がり、遠くは奈良の山々まで見渡せる。
県境付近は標高600mで、林道沿いには約1,000本の桜が植えられ、その標高差から桜の開花時期が長く春には桜の名所、秋は紅葉の名所となっている。
三国越林道はサイクリング愛好家にとても人気のあるコースとなっています。
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