
V4エンジンか...レプリカモデルYZF-R1との関係性を
どうするのかが気になるが
下位4台独占なんて結果では
会社としてのイメージダウン以外の何物でもない
レースはやるならば勝たなければならない
V4エンジン投入も当然だよな
俺もクアルタラロの勝つ姿が見たい❗️
やったれYAMAHA❗️❗️
そうじゃないと至宝クアルタラロが出ていってしまう😭
コラム|ヤマハよ、勇気はあるか? 超悲慘オーストリアの結果こそ、V4マシン早期投入のキッカケにせよ!
2025年もMotoGPでの苦戦が続いているヤマハ。第13戦オーストリアGPでは陣営の4名が下位を占めるという不名誉な結果となってしまったが、これはヤマハが開発を進めているV4エンジンのマシン投入を早める兆しなのだろうか?
「バラトン・パーク(ハンガリーGP)はこれ以上悪くなりようがない」
ファビオ・クアルタラロが時折大げさな表現をする傾向があるかどうかはさておき、MotoGP第13戦オーストリアGP後のヤマハの状況については誇張でもなんでもなかった。レッドブルリンクでのレースで、ヤマハ陣営の4人のライダーは、”下位4台”に揃ってしまった。続くハンガリーGPでは、これより悪くなりようが無いことは間違いない。
それが取り繕いようのない事実だ。4人の中で最上位のクアルタラロが15位でゴールしたが、勝利したマルク・マルケス(ドゥカティ)からは25秒遅れだった。さらに厄介なのは、14位のルーキー・小椋藍(トラックハウス)からも7秒引き離されていたことだ。
しかも、その”控えめ”な結果でさえ、クアルタラロがマシンの性能を超えて走った証だった。クアルタラロは後ろに続くヤマハ勢、チームメイトのアレックス・リンスに5秒差をつけていた。さらにその後ろ、プラマックで走るミゲル・オリベイラやジャック・ミラーは……その結果については聞かない方がいいだろう。
悪かったのは決勝レースだけではなかった。フリー走行から苦戦続きで、予選も厳しかった。スプリントではヤマハが下位3台を独占。クアルタラロが11位に入ったことで、決勝ほどの屈辱を免れたにすぎない。
ヤマハ・YZR-M1の遅さそのものが大失態だったが、金曜午後にはさらに悪い出来事があった。ミラーのバイクがトラブルを起こし、悲惨な状態でピットに戻ってきたのだ。路面にオイルを撒いたのかどうかは公式な説明は出ていないが、直後にクアルタラロとオリベイラがミラーの通過後のターン6で相次いで転倒を喫してしまう、という場面もあった。
ただし、この点については多少の補足も必要だろう。ヤマハとオーストリアGPはそもそも2016年にこのサーキットがカレンダーに復帰して以来、あまり良い関係を築けていない。2020年にはマーベリック・ビニャーレスが恐ろしいブレーキトラブルを経験し、その年のシュタイアーマルクGPは2007年以来の最悪の結果となった。2024年もポイントを獲得できず、クアルタラロ自身が「大惨事」と評した。
ヤマハは苦い経験してきたが、2025年シーズンはクアルタラロがここまでに4度のポールポジションを獲得し、スペインGPでは表彰台を獲得した。ここまで悪い状態が続くとは思えないと考える根拠もあるが、今後のレースは暑い気候が予想されるものが多く、涼しい時に最も力を発揮してきたマシンにとっては明るい兆しとは言えないだろう。
そして大苦戦に終わった2024年オーストリアGPから1年経った現在の状況はまるで異なるものになっている。まず第一に、2027年から施行される新レギュレーションの導入が近づいていること。第二に、ヤマハは別仕様のマシンを開発中であることだ。そして第三に、クアルタラロはグリッド上のどのチームに移籍してもおかしくはないということだ。彼の忍耐は昨年のオーストリアGP時よりも、さらに1年分薄れている。
ヤマハが再び直列4気筒エンジンで改善を試みる際の見返りも、1年前より少なくなっている。仮に再びポールポジションを獲得できるマシンに戻したとしても、クアルタラロが実際のレースで戦えるバイクに仕立て上げる方法を見つけなければならない。そして、それを成し遂げたとしても、そのマシンは15ヵ月後には時代遅れになっているだろう。
そして、以前から開発が進められているV4エンジンの存在が疑問を投げかけている。選択肢がない状態で“死んだ馬を鞭打つ”のと、もう一頭が待機している状況とでは話が違う。新しいエンジンを放ち、それがもし”ロバ”であると判明したとしても、失うものはほとんどないのだ。
1000ccのV4エンジンは、2027年新規則における850ccのV4と同じものにはならないだろう。しかし少なくともレイアウトは同じであり、そこから得られる知見は2027年により直結するものとなる。そしてヤマハのリソースが潤沢であったとしても、現在抱える3つのプロジェクトのうちひとつを切り捨てることは、残る2つのプロジェクトの利益となる。
そして、この時点で切り捨てるべきプロジェクトは、明らかにひとつしかない。
クアルタラロはヤマハにとって重要な”資産”だ。今シーズン序盤にポールポジションを獲得できたことが、彼に勝利の可能性をちらつかせ、関心をつなぎとめていた。しかし結局それは幻に終わった。今、ヤマハは彼のモチベーションを維持するためにも別の何かを持ち込む必要がある。全く新しいポテンシャルを秘めたバイクに乗るのであれば、彼もメディアに対して多少はメーカーをかばう姿勢を見せるかもしれない。
新レギュレーション、現実的な代替手段、そして不満を抱えるライダー。これらが全てが、V4エンジンに全力を傾けるべき理由になっている。9月のミサノテストでは初公開が見込まれている(それもまだ確定情報ではない)が、試しにやってみるという話しどころではないはずだ。彼らは大胆な賭けに出て、サーキットに新マシンを送り込み、2025年にレースをさせるべきだ。
ヤマハはテストにおける優遇措置を与えられている。さらに新たなサテライトチームであるプラマックのおかげで昨年よりも2台多くマシンを走らせることができる。ヤマハが本気になれば、ホンダ以外ではグリッド上のどのチームよりも早く開発を進めることができるはずだ。
現行マシンを「もうやらなくてもいいリスト」に載せれば、さらに開発は加速する。加えて実際のレースでの走行から得られる知見は、テストの焦点を定める上で大きな助けとなる。
現状のままで直4マシンが2026年にタイトルを獲得できるだろうか? 答えはノーだ。
失敗や恥をかくリスクはあるだろうか? もちろんある。しかし2025年オーストリアGPがまさにその「失敗と恥」でなければ何なのだろうか? もしV4搭載マシンが遅かったとしても、少なくともヤマハは開発初期段階であることを理由にできるし、その新規性をアピールできる。現行プロジェクトが後退している事実をクアルタラロに指摘されるよりは、はるかにましだ。
ならば、V4を投入し、来年唯一の新型となったマシンならドゥカティの覇権に挑める可能性はあるのだろうか? 他メーカーは、ドゥカティを含め、現行規則下ではごくわずかな改良しか積み上げられない。その中でまったく新しいコンセプトこそが最大の可能性を秘めている。そして2025年シーズン終盤で、新型を投入したことで遅れたとしても、その挑戦において損になることは決して無い。
リスク回避が常識となっている企業社会において、ヤマハが例えばバルセロナでV4マシンを投入するならば、多くの支持を得られるだろう。マルケスが圧倒的強さでタイトル獲得に突き進み、まだまだ多数のレースが残されている今、そうした”熱い”ストーリーはMotoGPがまさに必要としているものだ。
ヤマハよ、勇気はあるか?