
NoNa
▼所有車種
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- CONTINENTAL GT 650
数十年ぶりに会った友人との飲み会。
若い頃に走ったバイクの話に花が咲き。
MUTT MASTIFF 250を勢いで購入。
久しぶりのバイクに少し慣れた頃。
点検整備でMASTIFFを預けたとき出会ってしまった。
CONTINENTAL GT 650に一目惚れ!!





エッセイ
「かすうどんとインバウンドと高野山」 ②
〜おにぎり編〜
そうそう、この店のメインはもうひとつあるそれは、「おにぎり」だ。
海苔で巻かれたおにぎりを手でもつと柔らか過ぎてバラバラに崩れそうになるが、絶妙にギリギリのところで崩れない、いかにも弘法大師の神力で米どおしがお互い意思でくっつきあっているのではないかと思わせる。
運動会の時に食べる、カチカチに握られているハード系おにぎりとは正反対のエアリー系おにぎりだ。なんとなく「おにぎり」ではなく「お握り」って感じだ。
かすうどんとお握りを半分ほど食べ終わると、痩せた白人系のインバウンドさんがご来店。
店主に「Can you speak English?」と問いかける。
店主は力強く「のぅ」と。
困った痩せた白人系インバウンドさんは、困り顔でメニューを翻訳ソフトを使い解析しようとしている。
おそらく「かすうどん」は翻訳されないだろう。
声をかけるべきか。
海外に行った時、片言でも話しかけられると嬉しくなることは自身の経験をもって知っている。
しかし、私は片言も「のぅ すぴいく いんぐりっしゅ」だ。そんなことを考えながら最後の一滴まで出汁を飲み干す。
一抹の不安がよぎる、高野山だけに痩せた白人系インバウンドさんはビーガンかも知れない。もし、運ばれた「うどん」におもいっきり牛の内臓肉が敷き詰められていたら絶対に「おぅ まい がぁっ」だ。
私は、痩せた白人系インバウンドさんが両手を挙げて本気の「おぅ⤴︎ まい がぁっ⤵︎」を聞くのが怖くて、そそくさとお会計を済ませて店を出てしまった。
なんでも良いから声をかければよかった。
バイクに跨り「かすうどん」を英語でどう説明すればよかったのかを、頭の中の古い古い単語帳を開き直し、ひとり英語レッスン反省会を行ったが「じゃぱにぃず ぬぅどる Udon」ぐらいしか思い浮かばない。
16時30分に和歌山市内で会議がある。それは、かなり重要な会議だ。途中高速も使えば、1時間30分で余裕で和歌山市内でまで戻ることができるので、時間を逆算しながら奥之院裏手の転軸山へバイクを走らす。
そこからの帰り道、走ったことがないけど山を下っているし道は繋がっているから大丈夫、大丈夫、大丈夫?
広かったはずの道がだんだん暗く細くガタガタになる。スマホを取り出して地図を確認するが、
「何処だ、ココは?」そう、すでに迷子になっていた。
神聖な高野山に不純な思いで上がり、御廟にも行かず、生臭物を腹一杯食べ、旅行者に親切にしなかった、そのバチがあたったのであった。
(おわり)