
ichi says...
RG50ガンマからはじめて、色々なバイクを乗り継いできましたが、最近はF800SとYB-1に乗っています。
幸いなことに、この30年ほどは転倒や事故もせずに済んでいるので、この調子で最後まで楽しんでいきたいものです。
この度ふと思い立って日記代わりにモトクルを始めることにしました。よろしくお願いします。










【鷹は飢えても穂を摘まず】
<ご注意>あくまで素人のレビューですし、しかも基準がマイナーなF800S(以下、ハチべえ)なので、完全に“ダレトク?”な長文投稿となっておりますので、くれぐれもご注意ください。
さて、今日は以前から気になっていたホーク11(以下、鷹)をレンタル試乗してきました。
高速道路と峠道を半分ずつ、全行程約200㎞を走ってきましたが、一言でいえば鷹は”ホンダらしい真面目なバイク”でした。
(別メーカーですが)GS1200SSなどと同様に、鷹はどちらかと言えばマニアックというか、ニッチなマーケットに訴求したバイクです。
そのため、多大な設計コストをかけられず、基本コンポーネントはアフリカツインと共通です。デザインもロケットカウルなどを前面に出した、どちらかと言えばキワモノなバイクです。
しかし、中身はホンダらしく手抜きのない、しっかりと煮詰められたもので、私のような技量に乏しい者でも、ライディングプレジャーを強く感じられるバイクでした。
以下、ハチべえと比較して感じたことを列挙します。
1)操縦性:偶然ですが前後輪のタイヤサイズは両者とも全く同じです。しかし、ハチべえよりホイールベースが40㎜ほど長いこともあり、鷹の方が直進安定性は高い感じでした。
逆にいえばハチべえの方がハンドリングはややクイックですが、トレール長が長いせいかセルフステアは鷹の方が強く感じました。
基本的に両者とも操作しやすく、素直な操縦性であり、特にワインディングを楽しめるバイクですが、ハンドリングの性格は違うので、この辺りは乗り手の好みだと思います。
それから鷹のリアサスペンションは突き上げが強く、私の“ガラスの腰”が悲鳴をあげそうになったので、プリロードを最弱にしました。
2)エンジン特性:形式はパラツインで同様ですが、排気量が違うので当然最高出力や最高トルクは鷹に分があります。
出力特性も大きく異なっていて、特にトルクの出方は私でもはっきり違いが分かりました。ハチべえは非常にフラットなトルク特性で、最大トルクを比較的低回転域(5,800rpm)で発生します。一方、鷹はリニアにトルクが発生する感じで、最大トルクを比較的高回転域(6,250rpm)で発生します。
さらに鷹はドライビングモードを変えられるので、スポーツモードにするとアクセルレスポンスが一層よくなります。これは最近流行りの270度位相クランクの影響もあるかもしれません。
リッターマシンといっても、鷹は絶対的な出力自体は最近のスポーツバイクとしては控えめ(最高出力102PS)なので、いつでもある程度のアクセル開度が得られますし、機敏なレスポンスと相まって、アクセルワークが楽しくて仕方ありませんでした。
しかし、これだけ褒めておいて矛盾するようですが、私個人にとっては,どちらかといえばハチべえのエンジン特性の方が好みでした。この辺りも乗り手の好みでしょうが、ハチべえの方がトルク変動が小さく、それほどシビアなアクセルワークは要求されないので、他の姿勢制御やブレーキングにより集中しやすいですし、長時間の運転でも疲れにくく、バイク側で少々のことは許容してくれるためです。
(いくら楽しくても、ジェットコースターをずっと乗るのは、私のような者にはちょっと疲れるといえばわかりやすいでしょうか。)
3)デザインなど:これも完全に好みの問題ですが、個人的にはどちらも好みのデザインです。ただ、鷹は車体前部にこだわり抜いたロケットカウルがあるだけに、逆にシンプルな車体後部とのバランスが難しく、独特な意匠のバックミラーなども含めて好みが分かれるところです。
それ以外にも最近のバイクには設定されているクイックシフターやクルーズコントロールなどがなかったり、ご自慢のカウルも防風効果がほとんどなかったりします。
色々含めてメーカーは「気に入った奴にこそ買ってもらいたい」と割り切っているような気がしました。
4)まとめ:パラツインエンジンを搭載した汎用性の高いハンドリングマシンという点では両者とも同じですが、やはりキャラクターはかなり違っていました。
個人的にはハチべえの”懐の広さ”を再認識できたのも良かったです。とはいえ鷹は非常に完成度の高いバイクですし、既に生産も終了しているハチべえを乗り続けられなくなったとき、もし私が新たにバイクを購入するなら、是非候補にしたい一台です。
(その時に私がリッターマシンに乗れるような気力・体力を維持できているかが問題ですが。。。)
以上、長文にて失礼いたしました。