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    早朝の気温24度

    この時期の北海道とは思えぬ気温の中、海まで走って来ました。

    ‥‥breezeが心の中を!(もうやめろって)

    海辺のコンビニにバイクを停めた時、イカついクラウンに乗ったガテン系のオジサンに声をかけられました。

    「これ、あれだべ。新しいZだべ!」

    「あ、そうです。どうぞ見てください」

    ちょっとずんぐりした、歳のころ60過ぎくらいのおじさんです。

    銀縁のメガネを光らせて、なめるように僕のZを見ています。

    「昔、乗ってらっしゃったのですか?」

    「おう、赤いタンクのZ2にな」

    「ああ、火の玉カラーですね。今持ってたらひと財産ですよ」

    おじさんは、タンクの形状を確かめるように、バイクの周りを右から左に回りながら話します。

    「そうだべな〜。あの頃は、ホラ。40マンとかで買えたべや。コレいくらすんだ?」

    「車体で135万円です」

    値段を聞いた瞬間、メガネの奥の目が驚いた少年のように見開かれ、すっとんきょうな声で、

    「そだべー❗️いや、そんくらいすんのな、今のバイクは。だべな〜。」

    「でも、いいな、コレな。200キロは余裕だべ❓Z2は180から伸びんのよ。900だとイケるんだけどな」

    僕は苦笑しながら、

    「ご存知かもしれませんが、このバイクの元ネタがちょっと過激なスポーツバイクなので、おそらく簡単に出るとは思います。だけど、風圧がツライですね。」

    すると、おじさんの少年の心に火がついたのか、

    「伏せ方があんのよ。こうな、タンクにアゴ付けて、左手でフロントフォークを掴むのよ、な。そしてゆっくり10数える」

    身振り手振りを交えて、昭和時代の最高速チャレンジの方法を教えてくれます。

    おじさん。今のバイクはそんな事しなくてもスピードは出るんだよ。だけど、あなたにはその儀式が必要なんだね。こっち側に帰ってくるための。

    ひとしきり話終えて、最後に、「もう一度乗ってみませんか?」と、尋ねてみると、

    「いいな。バイクは最高だ。オレももっかい乗りたいのよ。赤いタンクのヤツにな。でも、難しいべな〜」

    俯き加減のおじさんの目が悲しげにまばたきを繰り返す。

    「金銭的な問題はありますが、乗ろうと思ったらいつでも乗れるような気がします。要するに、気持ちの問題です。だって、当時、新車のZ2にお乗りになっていた。その当時の方が難しかったはずです」

    「‥‥」

    「エンジンの音、聴きますか?」

    セルボタン一押しで目覚めたエンジンの音を聴いて、おじさんの目は少年の輝きをを取り戻す。

    「おー!やっぱりカワサキの音だな❗️ちょっとフカシてみれ❗️」

    おじさん。いつの日か、おじさんが赤いタンクのZに乗ってる事を信じているよ。



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