ミキヤさんが投稿した愛車情報(R1200R)

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    【夜のRD50】
    これは、まだ世の中が「しょーわ」とか言われていた時代のことだ。
    大学は、うちから25kmの癖に、Z型にしか走っていない路線のせいで電車通学だとバカみたいに時間が掛かる。
    ガキの頃に人造人間キカイダーが流行っていたとは言え、ソフトケースにギターを入れて、背負って原チャリで通うという摩可恐ろしい通学スタイルが俺の日常だった。

    その日は部活の会計処理がやたら時間が掛かったんだと思う。
    夜10時、真冬の大学から、一人ふらふらと家路につく俺。
    「さ、、サムい、、、」
    ライコランド、二りんかん、、そんなものは無かった。
    カドヤ? あったのかもしれないけど、革ジャンなんか貧乏学生には無縁。

    俺はスタジャンの胸元に新聞紙を入れて、原チャリのチョークを入れて、キックペダルを踏み込み。
    真冬とは言え毎日乗ってるからか、起動にまごつくことはあまり無い。
    今考えると恐ろしいが、頭の中には路面凍結なんて言葉は、「ろ」の字も無い。若さって凄い。


    「帰っか~」
    辺りは真っ暗。
    比喩ではなく、本当に真っ暗なのである。
    名前に「東京」とか入ってるくせに、所在地は千葉県。
    、、、それも通学路そばを牛さんが通っているような田舎。
    「真っ暗」なのである。ベッドライトはLEDどころかハロゲンでさえないのである。
    人は、僅かな明かりと野生の勘でひた走るのだ。
    、、、当たり前過ぎて怖いとも思っていないのだ。

    不意にヘッドライトの明かりが、後ろに車両がいることを教えてくれる。
    「あれ?どこから?」
    引っかかる、へんな違和感。
    バンみたいだけど、運転席はやけに暗い。
    田舎道から、やや大通りまであと300m。
    たまたま集中した街路灯が違和感の正体を教えてくれる。
    え、、、運転手さん、顔が無い?
    首から上が無い?
    首から上が、、、😱。

    思いっきりアクセルを捻った。
    信号は赤。バンはついてくる。
    止まりたくない!
    止まりたくない!!
    止まりたくない!!!

    信号無視の左折侵入からの、2ストパワーバントの全開走行。
    RD50は裏切らない。
    今のスクーターでは考えられない速度を持って俺に応える。
    逃げなきゃ。
    逃げなきゃ!
    逃げなきゃ!!

    明るい国道6号まで、俺の決死の逃避行は続いた。
    漆黒の闇が俺を嘲笑うかのような真冬の夜の出来事だった。

    注① 写真は本編とは全く関係なく、当時のRD50じゃありません。言うまでも無いとは思いますが😅
    注② これ何だったのでしょう?未だに良く分かりません。
    注③ ここまでの内容で、私の出身大学にたどり着ける人、凄いっす、、、。

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