ローン返済途中のバイクは売れる？売却可否の確認方法やよくあるQ＆Aを紹介｜グーバイクマガジン -公式サイト-

原則、ローン返済中の売却は不可

ローンの返済が完済するまで、バイクの所有権はローン会社にあります（所有権留保）。万が一、返済が滞ってしまったらローン会社はバイクを差し押さえて売却し、ローンの残債分の金額を手に入れます。

つまり、厳密にはローン返済中のバイクは乗り主のものではないので、バイクを売却することはできません。とはいえ、どうしてもローン返済中のバイクを乗り換えたいときや、手放したいときもあるはずです。

例外的に、名義が自分になっていれば売却できる

ローン返済中のバイクは売却できないのが原則ですが、例外として、所有者登録を本人名義にしている場合は売却が可能です。

バイクの名義には「使用者」と「所有者」の2種類があります。バイクを売る権利は所有者にあるため、使用者として自分の名前が登録してあるだけでは売却はできません。ローンを組んだ時点で、使用者は自分名義であっても、所有者はバイク販売店やローン会社になっていることが一般的です。

まずは、車検証などの書類の所有者欄が誰の名義になっているかを確認してみましょう。所有者が自分名義になっていれば売却の権利は自分にあるため、ローン返済中のバイクでも売ることができます。

バイクの名義を確認する方法

バイクの現名義がどうなっているかは、登録書類で確認できます。
排気量ごとの登録書類は次のとおりです。

排気量	登録書類
125cc以下	標識交付証明書
125cc超250cc以下	軽自動車届出済証
250cc超	自動車検査証（車検証）

所有者の欄がバイク販売店やローン会社でなく自分の名前になっていれば、そのバイクはまぎれもなく乗り主の所有物であり、バイクの売却が可能です。
なお、上記の登録書類がない場合は、ナンバープレートが登録されている市町村の窓口（125cc以下）や運輸支局か陸運局（125cc超）で再発行できます。

売却の際にも必要となる書類のため、再発行して確認することをおすすめします。

残債を一括返済して所有権を解除する

残債を一括返済できるのであれば、まずはローンを一括返済し、そのあとに所有権を自分名義に変更（所有権解除）することで、売却が可能となります。
所有権解除の流れは、後ほど詳しく解説します。

しかし、すぐには残債を支払う資金を用意できない場合もあるでしょう。そこでポイントとなるのがバイクの買取金額です。

買取金額＞ローン残債であれば売却しやすい

一部店舗では、一括返済の資金が手もとになくても、ローン残債にあたる資金を前払いという形でいったん用意してくれるサービスがあります。そのお金でローンを返済することで所有者の解除が可能となるためバイクの売却ができ、バイクを売ったお金から前払い分が差し引かれた金額が支払われるという仕組みです。

このサービスが適用可能になる条件が、ローンの残債よりも買取金額が高いことです。

例えば、バイクの買取価格が50万円、残債が30万円だったとします。前払いで30万円をバイクショップから受け取り、残債を一括返済します。残り20万円が、バイクを売った利益としてあなたの手もとに残ります。

一括返済により所有権解除する流れ

ローンの返済を終えたら、ローン会社から完済証明書を発行してもらいましょう。続いて登記上の所有者へ連絡し、完済証明書を確認したあとに譲渡証明書を発行してもらいます。

譲渡証明書および必要書類を、ナンバープレートが登録されている市町村の窓口または運輸支局に提出することで所有者を変更することができます。

必要書類は以下のとおりです。

排気量	必要書類	登録実施場所
125cc以下	・譲渡証明書 ・標識交付証明書 ・印鑑 ・身分証明書	ナンバープレートが登録されている市町村の窓口
125cc超250cc以下	・譲渡証明書 ・軽自動車届出済証 ・住民票 ・印鑑	ナンバープレートが登録されている運輸支局
250cc超	・譲渡証明書 ・車検証 ・住民票 ・印鑑	ナンバープレートが登録されている運輸支局

なお、買取業者を利用しての売却であれば、一連の手続きを代行してくれるケースが多いです。

ローン残債＞買取金額であればローンの組み直しを検討する

バイクの買取価格がある程度高く付き、ローン残債を上回る場合には、買取業者による前払いのようなサービスが利用できます。しかし反対に、ローン残債が買取金額よりも高い場合にはこの方法は使えません。

例えば、バイクの買取価格が30万円、残債が50万円だとしたら、前払いでもらえるお金はありません。手放す愛車にローンの残り以上の値段が付かなければ、ほかの方法を考えるしかないでしょう。

その方法の一つが、次に紹介するローンの組み替えです。

ローンの組み替えをする

売却したいバイクのローン残債が買取金額を上回っていても、ローン会社が超過分を立て替えてくれる「フォロークレジット制度」（ローンの組み替え）というものがあります。

例えば、あなたのバイクの買取価格が30万円、残債が50万円だった場合、売却してもローンの残債20万円が残ってしまいます。そこで、残債20万円をローン会社が立替払いし、その立て替えてもらったお金を乗り主が分割で返済していくことを条件に、売却を可能とするのがフォロークレジット制度です。

もし乗り換えでの売却であれば、新たなバイクの購入価格と残債20万円を併せたローンを返済していくという形になります。

ローンの組み替えであっても審査があり、審査に通らなければ組み替えもできないことを把握しておきましょう。また、ローン会社と提携をしている大手のバイク買取業者などで採用している場合のある制度であり、個人売買では利用は難しいと考えたほうがよいでしょう。

ローン残債があると買取価格は安くなる？

ローンの残債があるからといって、買取価格が安くなることはありません。所有者変更の手数料分が差し引かれることもほとんどないため、買取価格への影響はあまり心配しなくてもよいでしょう。

ただし、ローン残債の影響がないと断定はできません。心配な場合は複数の業者に査定してもらい、できるだけ納得できる価格での売却を目指しましょう。

修理費用のローンが残っていても売却できる？

修理費用のローンが残っていても、バイクの売却は可能です。先述のとおり、バイクを売却できる条件は所有者名義が自分になっていることであり、修理費用のローンの残債は関係ありません。

なお、修理費用のローン返済はバイクを売却したあとも続く点には注意が必要です。

ローンの残ったバイクを高く売るコツは？

ローン返済中のバイクを少しでも高く売却するコツは、以下の6つです。

1. 買取相場を知っておく
2. 見積もりは複数の買取業者から取る
3. 買い取りは全国展開しているバイク専門業者に依頼する
4. 長期休暇や新生活が始まる前に売却する
5. 査定の前にはバイクをしっかりメンテナンスしておく
6. 自賠責保険も一緒に買い取りしてもらう

バイクを売ればローンの返済はなくなる？

バイクを売却しても、ローンの返済はなくなりません。

所有者名義が本人ではないバイクでも、一括返済やローンの組み替えの利用により売却が可能になります。ローンの組み替えで売却した場合は、残債から買取価格を差し引いた差額を、組み替え先のローン会社に返済する義務があります。

所有者名義が自分になっていて特別な手続きなしに売却できた場合でも、返済はなくなりません。売却を考える際には、月々の返済額を把握しておきましょう。

所有権留保が付かない条件とは？

先述のとおり、ローンが終わっていないバイクには所有権留保が付いていることがほとんどで、この場合は原則として売却はできません。ただし、なかにはローン返済中であっても所有権留保が付いていないバイクもあります。

所有権留保を付けるか否かはローン会社やバイク会社の判断によりますが、所有権留保が付かない条件としては以下のようなものが挙げられます。

• 勤続歴や収入などから、購入者の社会的信用度が高いと判断できる
• 頭金で車両価格の半額以上を支払い済みである
• バイクの価格が高額ではなく、数十万円程度である

ローン返済中のバイクでも対応している業者が多い

ローン返済中で今すぐに返済が難しい場合でも、先ほど紹介した「フォロークレジット制度」などを利用してローン返済中のバイクの買取対応をしている業者は多くあります。

とはいえ、すべての業者が対応しているわけではないため、ローン残債があっても買取をしているかどうか事前にしっかりと確認しましょう。

また、買取業者の多くが、譲渡証明書作成や名義変更手続きの代行など一連の手続きがサービスに含まれています。自身で陸運局などに出向く必要がなく、手間も時間も省略できるのがメリットです。

高値が付きやすく返済やローン組み替えも好条件になる

多くのバイク買取業者は、買い取ったバイクをそのまま在庫として持つのではなく、業者間のオークションを利用するなどして再販します。中古バイクの市場動向を熟知しているため、ニーズの高さや人気が買取金額にしっかりと反映されます。

さらに、高値で再販するためのルートも十分に持っているため、買取特化型ではないバイクショップよりも高値で買い取ってくれることが多いのです。

買取金額が高くなる分、ローン残債があった場合にはそれを補填する資金を確保できることになるので、結果的にローン組み替えも好条件になるといえます。