ホイールサイズから読み解くアドベンチャーマシンの選び方

ホイールサイズから読み解くアドベンチャーマシンの選び方

いまバイク業界は終わりの見えないアドベンチャーブームの只中。しかし、一言でアドベンチャーと言ってもさまざまなモデルがある。ここではざっくりとホイールのサイズ別にアドベンチャーマシンを分類し、その長所やオススメの遊び方などを紹介していこう。

Photo & Text/Satoru Ii

ホイールサイズ別に3グループに分類される

 アドベンチャーマシンが欲しいと思ったとき、はたして何を基準に選べばいいのだろうか。現在、BMWのGS、ホンダのアフリカツイン、スズキのVストローム、ヤマハのテネレ、KTMのアドベンチャーなど新車だけでも選択肢はたくさんあり、さらにそれぞれにいくつかの排気量や、派生モデルがラインアップされていたりする。
 一見、どのモデルも似たような外見をしているように感じるかもしれないが、その性能はさまざま。よく見てみると、ホイールサイズごとに大きく3つのグループに分けることができる。
 そもそもアドベンチャーとはオフロードバイクをベースに誕生したモデルなので、前21インチ、後18インチが始まりだった。しかし、オフロードを走らないライダーにとってはフロントホイールのサイズは21インチも必要ないことがわかり、1990年代になると前19インチのオンロード志向を持ったアドベンチャーが登場。さらにBMWの名車R1100GSに採用されたことで前19インチはアドベンチャーのスタンダードになっていった。
 一方、2000年代になるとオフロードに強いKTMが950アドベンチャーに21インチを採用した。当時は他メーカーの追随は多くなかったものの、アドベンチャーにオフロード性能を求める本格派のライダーから支持を集め、近年のアフリカツインやテネレへとつながる流れを作ったといえるだろう。
 また、前17インチ、後17インチのアドベンチャーはちょっとイレギュラーである。そもそもこのタイヤサイズはオンロードバイクが長年かけてたどり着いたベストアンサーであり、整備された道を走ることに限ってはピカイチ。まずはスーパーモタードから派生した大排気量のメガモトと呼ばれたモデルが誕生し、そこから2003年にドゥカティが17インチのムルティストラーダを作ったことで市民権を得たといえる。
 さて、この3つのなかからどのホイールサイズを選ぶべきかは、なぜアドベンチャーを購入したいかによって変わってくる。排気量も250ccからリッターバイクまで幅広いモデルが揃っているが、たとえば同じVストロームでも250と1050でまったく異なる特性を持っているようなことがあるので、メーカーと排気量だけで選択肢を狭めてしまうのは勿体無い。この特集をご一読いただき、広い視野とたしかな視点を持ってベストな一台を探し出してほしい。

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