バイクのアクスルシャフトとは?アクスルシャフトの交換方法と注意点
バイクのアクスルシャフトをクロモリ化すると「乗りやすくなった」「フィーリングが良い」という声を耳にしたことはないでしょうか?
ネガティブな印象も少なく、実際にクロモリ化を検討している方も多いと思います。
そこで今回は、アクスルシャフトの基本的な役割を踏まえ、「クロモリ化の特徴や効果」「クロモリ化する方法」「クロモリ化の注意点」について解説していきます。
バイクのアクスルシャフトの役割とクロモリ化
「バイクのアクスルシャフトの役割とは一体なにか?」まずは基本的な概要から確認し、クロモリ化の特徴や効果について確認しましょう。
バイクのアクスルシャフトの役割
バイクのアクスルシャフトとは、ホイールの真ん中を通っているシャフトのことを指します。ホイールと車体を固定するために欠かせない重要パーツであり、主に4つの機能を兼ね備えているのが特徴です。
機能1:それぞれ2本が単体で動くフロントフォークの「連結」
機能2:フリクションを最小に抑える「ペアリング固定」
機能3:ホイール付近のパーツが性能を発揮するのに欠かせない「位置決め」
機能4:ホイールとサスペンションの間で力の伝達をおこなう「荷重支持」
アクスルシャフトのクロモリ化とは?
アクスルシャフトのクロモリ化とは、「シャフトをクロームモリブデン鋼に取り換える」ことを意味しています。クロームモリブデン鋼と一口に言っても、加えている金属によって種類が異なり、「コスト」「強度」「操縦安定性」など、選ぶクロモリによって差がでてきます。
クロモリ化することで期待できる主な効果は、アクスルシャフトに大きな反力が掛かったとき、剛性の違いから操作性が安定することです。
例えば、100km以上の高速域で走行して切り返す際やフルブレーキを掛けるときなど、大きな荷重を掛けた際の余分なしなりが減少し、「剛性が向上している」「安定感がある」と感じられるでしょう。
ちなみに、純正ですでにクロモリのアクスルシャフトを採用している車種は、社外品に交換しても効果を感じにくいかもしれません。なかでも600cc以上のSS車では高確率で純正のクロモリを使用しており、社外のクロモリに替えても特段大きな効果は感じにくいといえます。
アクスルシャフトをDIYで交換する方法
ここからは、アクスルシャフトをクロモリ化する方法をご紹介します。交換に必要な道具や具体的な手順について確認しましょう。
アクスルシャフトの交換方法
既存のアクスルシャフトの取り外し方:
クロモリシャフトの取り付け方:
リアシャフトの場合シャフト固定ボルトはなく、代わりに割ピンが使われていますので、割ピンを抜いてナットを緩めてください。また、チェーンのテンションをあらかじめ緩めておくとシャフトが抜き差ししやすくなります。
アクスルシャフトの締め付けトルクとは?
アクスルシャフトの交換では、最後の締め付けが重要なポイントです。締め付けトルクはメーカが指定している数値に合わせましょう。締め付けが強すぎるとペアリングに影響してしまうので、作業する際には十分な注意が必要です。
アクスルシャフトの交換で必要な道具
アクスルシャフトを交換する際に必要な道具は、以下の通りです。
タイヤを持ち上げる道具は、木板でも代用できます。また、2人以上で作業できるのであれば、誰かに支えてもらうのもいいでしょう。
アクスルシャフトを交換するときの注意点
アクスルシャフトを交換するときは、タイヤの位置に注意しましょう。アクスルシャフトを抜く段階でスイングアームの右と左にズレが生じ、うまく抜けなくなってしまいます。タイヤの位置をうまく手足を使って固定するのが、アクスルシャフトを楽に引き抜くコツです。
ところがタイヤの位置が正しくても、うまく抜けないことがあります。上記の方法で抜けない場合は、以下の原因を疑ってみましょう。
錆びている場合はハンマーなどでたたき出す必要があります。また、頑丈に見えるアクスルシャフトでも、フロントに強い負荷が掛かると曲がってしまいます。フロントタイヤを触りながらアクスルを回し、波打つようであれば曲がっている可能性が高いでしょう。
この場合、アクスルシャフトを自力で外すのはとても大変なので、専門のバイクショップへ依頼するのが安心です。グーバイクでは作業内容や料金を掲載しているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
アクスルシャフトのクロモリ化は、操縦性・安定性の向上を目指すのに有効なカスタムということでした。フィーリングがダイレクトになることで、今まで以上に乗りやすくなるでしょう。
ただしクロモリアクスルシャフトは価格が高いので、純正のアクスルシャフトがすでにクロモリの場合は、コストパフォーマンスが悪くなる恐れがあります。交換が本当に必要なのかどうかを見極めることも大切でしょう。
また、DIY交換時にシャフトが抜けない場合は無理に抜かず、業者への依頼を検討することをおすすめします。
本記事は、2020年4月21日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。