彼がバイクに乗り出したのは4歳のとき。「私たちがカート好きでね。休みの日はサーキットに走りに行っていたんですよ。貴晶は最初はクルマのなかでおとなしく待っていたんだけど、だんだんとチョロチョロしだして……。そこでオモチャ代わりに与えたのがポケバイだったんです」とお父さんが説明してくれた。当の本人は、そのころはよく覚えていないらしい。まさに物心が付く前のことだ。貴晶クンは「自転車にも乗れないんだから、無理かなと思ったら、あっさりと乗れた」という。
そして彼は、「バイクが起こせたらレースに出ていいよ」とのお父さんの言葉に、あっさりとポケバイを起こしてみせた。5歳の夏にレースデビュー。このころには家族全員が貴晶クンのレースに夢中になっていた。速い子がいて、どうしても勝てない。週4日ペースでの練習。それでも勝てなかったという。
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