そんな大倉さんの思いが今度はバイク造りの場にも生かされた。ヤマハ・MTー01がそれだ。このバイクをデザインしたGKダイナミックス代表の石山篤さんは大倉さんの飛天双○能に共感。石山氏曰く、「飛天を目指すグローバルライダー大倉正之助は日本古来の命の鼓動と叫びを発し、打ち込む大鼓のリズムにより芸道の神々を呼ばう」姿にMTー01を思い起こした。MTー01の愛称が「鼓動」と呼ばれるゆえんがここにある。
「大型車のなかで、日本車もしっかりとしたブランドを確立しないと生き残ってはいけないのではないでしょうか。MTー01には、これからの国産大型車のエポック的な存在になってもらいたいと思っていますよ。日本には哲学的な、そして文化的な背景がある。もちろんバイクは始めからあったわけではないけれども、武士たちによる騎馬文化がありました。いにしえの人々も馬に乗って旅をしたのです。だから単なる乗り物ではない『旅に出たい』と思わせるものが必要だとも思っています」と、MTー01のコンセプトそのものにも意見具申した大倉さんは言う。
1
2
3
4
5
6
7
礪
インタビューTOPへ
量
TOPへ
(C)PROTO