鎌田はこのｲﾝﾀﾋﾞｭｰ中､ﾖｼﾑﾗ時代の写真を抱えていた｡そこには'00年のﾃｽﾄ中に亡くなった小倉直人が鎌田とともに写っていた｡彼らはその前年にﾍﾟｱを組んで8耐に参戦していたのだ｡同じ志を持ってﾚｰｽを続けていた大治郎､小倉らには､勝利こそが最高のﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄになるはずだと考えていた｡
また､生見にとってこの勝利はさらに大きな意味を持った｡鈴鹿ｻｰｷｯﾄに来ていた5歳の息子から｢ﾊﾟﾊﾟ､1番になってね」と何度も言われていた｡内心､｢1番は難しいんだ｣と思っていた生見はつらかった｡ ｢『ﾊﾟﾊﾟは1番になったよ』と､最高のｶﾀﾁで息子を抱き寄せることができました｡誇れることができて､最高にうれしかった｡この勝利は自分と息子の今後の人生においても､かけがえのないものとなりそうですね｣
生見と鎌田､桜井ﾎﾝﾀﾞのﾁｰﾑｽﾀｯﾌたちにとって､この暑い1日はさまざまなｶﾀﾁで心に刻まれ､きっと特別な夏となるはずだ｡
1
2
3
4
5
6
礪
ｲﾝﾀﾋﾞｭｰTOPへ
量
TOPへ
(C)PROTO