「結果的にはいろんなことを勉強できてよかったですよ。ふたつのメーカーの企業文化やモノ作りに対する考え方の違いとかね。どちらがいい悪いではなくて、多くの方法論が身についたということです」
そんな吉村さんは28歳で引退を決意。理由はとてもシンプルだった。
「レースで通用しなくなったから。勝たなければならない世界で勝てなくなったら、やめるしかないでしょう。ボクは自分に甘かったんだよね。速く走れなかったら、バイクのせいにしたりして自分以外のところにその理由を作ろうとしてた。さらにメーカーのレース活動が縮小されて、精神的にそれを乗り越えることができなかった。今は若い連中に偉そうなことを言ってるけど(笑)」
そして'75年、RS(ライダーズスポット)タイチが大阪府大東市に誕生する。ワークスライダーとしての経験や世界GPの参戦が吉村さんのライディングギアへのこだわりをさらに強くし、元全日本チャンピオンが展開するプロショップは大きな注目を集めることになる。
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