バイク買取・中古バイク査定ならグーバイク買取。相場検索、専門家のサポート

バイクのエンジンオイルの交換・目安はどれくらい?オイル交換の時期と方法を解説

バイクのメンテナンスといえば、真っ先に思いつくのがエンジンオイルの交換でしょう。バイクに安心して長く乗るために、オイル交換は重要なメンテナンスです。

オイル交換を行なう時期や頻度には目安があります。この記事では、オイル交換の時期や方法について解説します。

1:エンジンオイルの交換時期

はじめに、オイルの交換が必要な理由と、交換時期の目安を紹介します。

エンジンオイルの交換が必要な理由とは?

エンジンオイルはエンジンをスムーズに動かすために必要とされ、おもに以下の役割があります。

① 潤滑作用

エンジン内部の金属同士の摩擦を軽減し、エンジンの動きを滑らかにします。

② 洗浄作用

エンジン内部のスラッジ(鉄粉やススなどの汚れ)を取り込み、エンジンをきれいに保ちます。

③ 密封作用

シリンダーとピストンの隙間を密封し、パワーを維持します。

④ 冷却作用

オイルがエンジン内部を循環し、熱を吸収・放出することで、オーバーヒートを防ぎます。

⑤ 防錆作用

エンジン内部に油膜を張り、錆の原因となる空気や水分からエンジンを守ります。

オイルは消耗品であり、バイクに乗るほど汚れていきます。劣化したオイルを使い続けるとエンジン性能の低下につながるため、定期的に交換を行ないましょう。

エンジンオイル交換時期の目安

オイル交換の適切な時期は、バイクの車種や乗り方によって変わります。以下で交換時期の目安と確認方法を紹介します。

  • 取扱説明書を確認

まずはバイクの取扱説明書を確認してください。取扱説明書にはメーカー推奨の交換時期が記載されています。

  • 走行距離や頻度、オイルの色から確認

取扱説明書をお持ちでない方は、走行距離などを参考にしましょう。一般的に、オイル交換が必要となる走行距離は「3,000km~5,000km」です。ただし、バイクにあまり乗らない場合でも、劣化を防ぐために「半年に一度」のオイル交換が推奨されています。

オイルの劣化具合がわからないときは、オイルレベルゲージなどを使ってオイルの色を確認しましょう。オイルは劣化すると色が黒っぽくなります。極端に汚れているようであれば、交換が必要です。

エンジンオイル交換をしないとどうなる?

劣化したオイルを使い続けるとエンジン性能が低下し、部品の破損やオーバーヒートなど、大きな故障の原因となります。最悪の場合、エンジンが使えなくなる可能性もあるため、必ず定期的に交換しましょう。

2:エンジンオイルの交換の仕方

2:エンジンオイルの交換の仕方

オイル交換はメンテナンスの基本であり、準備をすれば自分でも作業できます。以下から、オイル交換を自分で行なう方法と、バイクショップで行なう場合のメリットなどを解説します。

エンジンオイル交換を自分で行なう方法

ここでは、オイル交換を自分で行なう場合に必要な道具や手順を見ていきましょう。

  • 必要な道具

① 新品のオイル

バイクのオイルは、「粘度」「グレード(等級)」「ベースオイル」といった指標で区別されます。必要なオイルの種類や量は車種ごとに異なるため、メーカーの指示に従いましょう。取扱説明書などに記載されています。

なお、車用のオイルをバイクに使うことはできません。車用のオイルを使うと、クラッチが正常に作動しない、ミッション内部のギアが破損するといったトラブルが起こる可能性があります。

② オイルジョッキ

新しいオイルを注ぐための専用ジョッキです。目盛りが付いているジョッキであれば、容量を量れて便利です。

③ ドレンワッシャー(ドレンパッキン)

ドレンボルトを組み付ける際に間に挟み込むことで、隙間を埋めて密閉できます。ドレンワッシャーが古くなると変形してオイル漏れが生じるため、オイル交換を機にドレンワッシャーも交換しましょう。

④ 廃油ボックス

古いオイル(廃油)をゴミとして捨てるための処理容器で、ホームセンターなどで購入できます。廃油の処理方法は自治体によって異なり、ゴミとして廃棄できない自治体もあるため注意が必要です。ゴミとして廃棄できない場合、エンジンオイルを購入した店舗や、ガソリンスタンドで廃油を引き取ってもらえる可能性があるため、確認してみてください。

⑤ 工具

ドレンボルトを外す・締めるという作業には工具が必要です。ボルトなめが生じないよう、サイズの合ったメガネレンチやソケットレンチを使用してください。

ボルト締め付けの際には規定トルク(ボルトを締める数値)を守る必要があるため、どれくらいの力で締め付けているか測定しながら作業できるトルクレンチを用いましょう。力加減を誤ると、ネジ溝が壊れてボルトが締まらなくなる、オイルパン(オイルをためておく部品)に亀裂が入るなど、トラブルが起こる可能性もあります。

⑥ その他、グローブやパーツクリーナーなど

手の汚れや火傷などのケガを防ぐためのグローブや、オイル汚れを落とすためのパーツクリーナーなどがあると便利です。

  • 交換の手順

続いて、オイル交換の手順を解説します。

① バイクを安全な場所に置く

まずはバイクを安全な場所に置き、転倒しないようスタンドをかけておきます。

② エンジンを少し暖気する

気温が低いときなどエンジンが冷えていると、オイルがうまく抜けないことがあります。その場合は少しアイドリングをし、オイルを温めるとよいでしょう。ただし必要以上にアイドリングをすると、オイルが熱くなりすぎるため注意してください。

③ 古いオイルを抜く

ドレンボルトの下に廃油ボックスを設置し、メガネレンチなどの工具でドレンボルトを外します。温まったオイルが吹き出すことがあるため、火傷をしないようグローブをはめて作業をしましょう。オイルの勢いがなくなったら車両を反対側に少し傾けるなどして、エンジン内のオイルを完全に抜き取ります。

④ オイルエレメント(オイルフィルター)を交換する

オイルエレメントを交換する場合は、この段階で行ないます。交換時期や詳しい交換方法は後述します。

⑤ ドレンボルトを締める

ドレンワッシャーを新品に交換し、トルクレンチを用いてドレンボルトを締め付けます。

⑥ 新しいオイルを入れる

規定量のオイルを缶からオイルジョッキに移し、オイル注入口から注入します。オイルがあふれ出さないよう、少しずつ入れましょう。

オイルを入れ終わったら、注入口を締めます。その後1分ほどエンジンをかけて、適正量が注入されているかを確認してください。オイルとオイルエレメントを同時に交換する場合は、フィルター内部にオイルが浸透することを考慮して、余分にオイルが必要です。

最後に、オイル漏れがないか、ボトルがしっかり締まっているかを確認し、オイル交換は終了です。

エンジンオイル交換はバイクショップでもできる

メンテナンスに不慣れで自分でオイル交換をする自信のない方は、バイクショップやバイク用品店に依頼することも可能です。

バイクショップなどでオイル交換をする場合、作業時間の目安は20分程度です。費用はオイル代として数千円(メーカーや性能によって金額が異なる)のほか、工賃代として1,000円程度がかかります。

バイクショップなどに依頼するメリットは、作業中に別の不具合を見つけてもらえる可能性がある点です。また、ショップによってはオイル交換と同時に空気圧やチェーンの点検などをしてくれるところもあります。

3:オイルエレメント(オイルフィルター)の交換時期は?

バイクショップでオイル交換をすると、オイルエレメントの交換も同時にすすめられることがあります。エレメントの交換は自分でもできるため、以下に交換時期と方法を解説します。

オイルエレメント(オイルフィルター)の交換時期と方法

オイルエレメントの交換は、「オイル交換の2回に1回の割合」で行なうことが推奨されています。オイルエレメントは汚れたオイルのゴミや不純物をろ過する役割を担っているため、交換しないで放置すると、せっかく交換したオイルもすぐに汚れてしまいます。

バイク用のオイルエレメントは、「スピンオン式(内蔵式)」と「カートリッジ式」の2タイプがあります。どちらのタイプが合うかは車種別に異なるため、製品の車種適合表を確認し、自分のバイクに合ったものを選びましょう。

オイル交換と同時にオイルエレメントの交換をする場合の手順は、以下のとおりです。

  1. エンジンオイルを抜く
  2. オイルエレメントのカバーなどを外す
  3. レンチを使ってオイルエレメントを外す
  4. 新しいオイルエレメントを装着する(パッキンも新しいものに交換)
  5. オイルエレメントのカバーなどを組み付ける
  6. エンジンオイルを補充する

エンジンオイルとオイルエレメントの交換記録を残しておく

先述のとおり、オイルやオイルエレメントは定期的に交換する必要があります。次の交換時期を忘れないよう、作業した日付や走行距離などを記録として残しておいてください。市販されているオイルチェンジキットのなかには、リマインド用のステッカーが同梱されているものもあるため、タンクなどに貼り付けておくとよいでしょう。

4:新車のオイル交換と慣らし運転について

新車の購入時はオイル交換の頻度が例外となるため、以下に説明します。

慣らし運転とは?

新車を購入すると、バイクショップから「慣らし運転をしてください」と言われることがあるでしょう。慣らし運転はいわばバイクの準備運動で、一定の走行距離に達するまで軽く運転することを指します。

慣らし運転には、おもに以下3つの目的があります。

  • エンジン内部のパーツ同士を馴染ませる
  • ネジに緩みがないかを確認する
  • タイヤの皮むき(タイヤ表面に付着している離型剤を削ぎ落とすこと)

一般的な慣らし運転の方法は、以下のとおりです。

  • 納車後1ヵ月以内に1,000kmを目安に走る
  • 急発進や急ブレーキなど「急」が付く操作は控える
  • エンジン回転数を抑えて運転し、段階的に回転数を上げていく
  • 適切にシフトチェンジし、各ギアをまんべんなく使う

1度目のオイル交換はバイクショップで

新車のバイクは、慣らし運転で1,000km走行した時点か、もしくは納車後1ヵ月での初回点検整備が推奨されています。

初回点検整備では、組み立て時にはなかった各部のネジの緩み、タイヤ・ホイールなどの取り付け部の緩みなどを確認し、調整します。また、慣らし運転によりエンジン内部では金属同士がこすれて金属粉が発生しているため、オイルとオイルエレメントの交換を行ないます。

以上のことから、初回のオイル交換は点検整備と併せてバイクショップやバイク用品店に依頼するとよいでしょう。

まとめ

この記事では、バイクのエンジンオイルの交換について説明しました。オイルは一般的に3,000km~5,000kmを走行した段階、もしくは半年に一度の頻度での交換が推奨されています。オイルを交換しないままでいるとエンジン性能の低下を招き、場合によってはエンジンが故障することもあるため、注意が必要です。

オイル交換は自分で行なうこともできますが、不慣れな方はバイクショップなどに依頼するとよいでしょう。定期的にオイル交換を行ない、楽しく安全にバイクに乗りましょう。

バイクのオイル交換 基礎知識

※本記事は4サイクルエンジンのオイル交換についての記事になります。

※本記事は、2023年6月6日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願します。

topへ戻る