ビッグスクーターが台頭して久しいが、まだまだその人気は衰えない。もしかするとこれから、流行りすたりの波がやってくるかもしれないが、それでもビクスクは定番的なひとつのジャンルとして、ずっとずっと続いていくに違いないと思っている。
なぜなら、今までにこんなラクチンなバイクがあっただろうか?こんなに便利なバイクがあっただろうか?シート下に荷物をポンと積みこんで、気軽に乗り出せる。高速道路を快適に走れる。その気になれば、100km/hオーバーだって可能だ。フロントに大きなカウリングとレッグシールドがあるから多少の雨や北風もへっちゃら。タンデムだって快適だ。ビジネスの足としても、旅や遊びの相棒としても、ライダーをアクティブにさせ、行動範囲を広げてくれるに違いない。
長年バイクに乗り続けてきた自分には、ビクスクを受け入れるのにかなり時間がかかった。クラッチ操作はなし、積極的に座位置を変えながら車体を操ることも強要されない、そんな軟弱なビクスクに乗ったりしたら、今までコケて痛い思いをしながら、覚えてきたバイクの乗り方を否定されているような気がしてしまう。「ライダーはスパルタンじゃなくちゃ……」みたいな感じの意地が、ビクスクをこばんだ。
でも、一度でもビクスクの乗り味を知ってしまうと話は違う。今まで知らなかった新しい楽しみがあった。信号待ちで、ラゲッジスペースからモノを取り出せることがどんなに素晴らしいか気付かされた。ゴー&ストップのたびに、シフト操作がないことで生まれる余裕は、見える風景までもをゆったりと感じさせてくれた。
スカイウェイブは、そんなビクスクの代表的な1台と言っていいと思う。初代スカイウェイブが登場したのは98年のことだ。当時、スポーツタイプの大型スクーターとしては、ヤマハのマジェスティがすでに販売されていたが、スカイウェイブの登場で、改めてビクスクに注目した人も多かったことと思う。
むしろ印象的だったのは、同じ年にスカイウェイブ400が発売されたことだった。「売れるのだろうか?」そのときは、正直そう思った。そもそも、250ccクラスのスクーターだって、今のように定番になるなんて、当時は想像もしていなかった。
今となってはビクスクの選択肢はたくさんあり、どのモデルを選ぶかは、ひとえに各ライダーの好みということになる。ここで自分が現行のスカイウェイブを選んだ理由はまず、流れに乗ってからの軽快な加速感と車体の動きがたまらないということ。どちらかと言えば、長い距離をスイスイと走り続けたくなるからだ。
それに貫ろくのある大きめの車体もいい。ライバル車と並んでも見劣りすることはないし、なにより、それなりに大きいバイクを操っているという満足感がある。
さらに言えば、スカイウェイブには、いくつものバリエーションモデルがあることも魅力だ。自分のライフスタイルに見合ったタイプを選ぶことができるのだ。
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