アメリカンといえば、真っ先に思い浮かぶのがハーレーダビッドソンだ。最後に行き着くのはハー
レーだという人もいるだろう。好みにもよるのだろうけれど、とにかく、クルーザーを語るうえで外せないのがハーレーなのである。
そのなかでも、比較的小柄なモデルがスポーツスターシリーズだ。ビッグツインが1584ccなのに対し、スポーツスターは1200ccと883ccの2種類。エンジン外寸も見るからに小さい。
ポイントは、車両重量が比較的軽く扱いやすいこと。それと、ネーミングからもわかるとおり、そもそもスポーツ志向のモデルだということ。要するに身構えることなく気軽に乗り出せて、楽に扱うことができる。それでいて、ここいちばんというときには元気に走ってくれそうなクルーザーなのだ。
もちろん、これがハーレーであるということ自体を魅力と感じる人も多いはずだ。伝統とか味わいとか、そんな難しい話は抜きにしても、ハーレーを所有する喜びというのがある。それでいて、比較的リーズナブルに感じてしまう新
車の価格設定も魅力だ。
さて、せっかくなのでスポーツスターの歴史をおさらいしよう。ずっとさかのぼって突き当たるのは、57年のXLスポーツスターだ。そのエンジンは、52年に登場したモデルKのクランクケースにOHVのショベルヘッドを組み合わせ
たもの。またフレームも、モデルKに使われていたものをベースとするものが使われた。
後に、圧縮比を上げたXLH、コンペティションホットモデルのXLCHなども登場する。さらに、セルモーターが装着され、排気量が1000ccとなり、フロントブレーキがディスク化されるなどの改善が行われていく。
79年にはKフレームからCRフレームに、83年にはXLXフレームへと車体骨格が変更される。86年モデルからはエボリューションエンジンが搭載され、排気量は883ccと1100ccの2種となる。エボリューションエンジンとなってからも、各部の変更は次々に行われていく。そのなかでも大きなことといえば、1100cc のエンジンが1200ccに排気量アップ、トランスミッションが4速から5速へ、チェーンドライブからベルトドライブへ変更、そしてバリエーションモデルの追加もあった。
いちばん最近行われたフルモデルチェンジは04年のことである。車体はひとまわり大きくなり、ニュー・エボリューションエンジンが採用された。大きなトピックスとなったのは、エンジンがラバーマウント化されたことで、車体の
振動が減らされたこと。また07年モデルからは、燃料供給装置にインジェクションが採用されている。
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