2012年、BMWはマキシスクータークラスにC600スポーツ、C650GTの2台を送り込んだ。今回試乗したのは、2016年シーズン登場のマイナーチェンジ版で、ボディー、メーター周りの意匠変更、駆動系とサスセッティングを変更したものだ。
スポーツとGTは、倒立フォークとカンチレバー式モノショックのリアサス、という基本を共用しながら、スタイルで個性を分けるという手法で設計されたもの。新たにASC(オートスタビリティーコントロール)、いわゆるトラコンを標準装備とした。
エンジン、CVTミッションはフレーム側に搭載し、駆動はケース内にあるドライブチェーンを介して行うレイアウトは先代と同様。スポーツはヤマハのTMAX、GTはスズキのスカイウェイブ650をスペック、装備、乗り味、価格でも研究したモデルだ。
車名が600から650となったGTは、駆動系のセッティング変更により、発進時の半クラッチ領域が2000回転以下で始まる印象で、CVTにありがちな回転の上ずり感がない。これは低速からの加速でも感じられ、大排気量スクーターらしい余裕の走りを楽しめた。乗り心地はマイルドなのに峠でもスポーティーに走れる。これまでスクーターに抱いていたイメージが変わるほど楽しめる。
高速道路では電動可動式のスクリーンの恩恵で抜群の快適さ。グリップヒーターを標準装備するなど、装備、デザイン、所有感でスポーツバイクと比肩する魅力を持つのが最大のウリなのだ。
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