SYMは設立58年を数える台湾のオートバイメーカーだ。そのSYMが、ニュースタイルのビジネススクーター、シティコム125を発表した。特徴は、前後長41cmのフラットなフットスペースと、可動式タンデムシートにある。特に可動式タンデムシートは、前側にヒンジを備え、引き起こすことで、タンデムシート部分に幅450mm×長さ470mmのフラットなリアデッキが表れるという仕組みだ。フラットな足もとにも、荷物を置くことができ、加えてフロントボックス、シート下ラゲットにも収納スペースを備えており、その積載能力は同クラスのビジネスモデルと比べても飛び抜けて高いといえる。
車体はロングホイールベースの影響から、全長もかなり長い。試乗前には、渋滞のすり抜け等では若干気を使うかもしれないと予想していた。ところが、ホイールに10インチを選択することで、そのネガを払拭。さらに、低いシート高、コンパクトなライディングポジションなどと相まって、取り回しを含め扱いやすさも高められている。
搭載するエンジンは、低速域の力強さはもちろん、高速域での伸びもあり、流れの速い道路でも交通の流れを十分リードできる。燃費は実走で34km/Lと、燃費を重視した最新の国産原付二種クラスには及ばないものの、パワフルな走りを実現していることを考えれば、納得のできる数値ではないだろうか。
今までの原付二種にはない高い積載性とシートアレンジによる幅広い使い方ができるだけに、ビジネスユースはもちろん、遊びの道具としても使えるモデルなのだ。
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