この台湾からやってきたメガスクーターが、サーキットでのスポーツ走行をストレスなく、ここまで楽しくこなせるとは、ちょっと意外だった。確かに、現在の多くのメガスクーターは、車体構成がモーターサイクルに近いものとなっており、高い走行性能を発揮してくれるのだが、高速走行でのバランスの良さに関し、このAK550は最高水準にあると言っていい。
最高出力53.5PSは必要にして十分で、サーキットで170km/hの高速に向けて、速度を高めていく。動力性能そのものは、これよりも排気量の大きいモデルに負けるだろうが、スクーターとしてのバランスは優っている。
そして、高速安定性は申し分なく、神経質な挙動も出ない。強力なブレーキを生かして車体を確実に減速でき、旋回性もニュートラルで、気持ち良く曲がっていく。コーナーからの脱出も、スポーツバイクと比べればアンダーながら、安心してトラクションを掛けていける。
とは言え、このAK550が第一義とするのは、街中での扱いやすさと実用性のはず。シートは競合車よりも低く、ハンドル切れ角が大きくて、小回りも利いて低速でのハンドリングも自然で、申し分ない。使えて、楽しめるわけだ。
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