ティグラシリーズは、台湾のPGOが誇るスポーティなスクーター。従来からの125cc、150cc版ともに速さには定評があったが、このたび150ccをベースにエンジンを約170ccにボアアップしたティグラ168Rが登場した。
全長1865mm、全幅710mmというサイズは125cc版と全く同じ。つまり原付2種サイズの車体に170ccエンジンを搭載しているわけだ。もともと加速力は優れていたが排気量アップに伴ってトルク、最高出力共にスペックアップ。アイドリングストップ機構も採用した。アクセルを開けると一瞬で6000回転まで吹け上がり、ウイリーしそうなスタートダッシュを見せる。中間加速も頼もしく、二人乗りをしていても上り坂をぐんぐん登ってしまうほどの力強さだ。もちろん、高速域でのトップスピードも150cc版より確実に伸びている。
アップグレードされたエンジンパワーに対応するため、冷却システムにはツインラジエーターを採用。タイヤは前後12インチだが、ボディサイズからイメージするよりかなり衝撃吸収性の高いフロントフォークと、プリロードを無段階で調整できるリザーブタンク付きリア・ツインショックのおかげで、ブレーキを掛けつつ曲がるような街中の細かい動きから高速道路でのクルージングまで、マシンの挙動に不安はない。ブレーキもフロントに245mmのウェーブディスク、リアに220mmのディスクを配し、強力かつコントローラブルな制動力を確保。メーカー自身が「クォーターキラー」と呼ぶのも納得の、250ccクラスに負けない実力を持ったマシンといえる。
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