排気量1801ccのスクリーミンイーグル・ツインカム110エンジンを搭載するハーレーの新ファミリー「Sシリーズ」にスポーツ志向のダイナモデルが加わった。ローライダーをベースモデルとするこのローライダーSは、ビキニカウルにストレートライザー&ドラッグバー、新型リアサスペンション採用によるフットワークのバージョンアップ、専用のガンファイターシートと、今アメリカで人気を博すカスタム「クラブスタイル」を忠実に再現した最先端のダークマシンだ。
本来は重量級モデルが並ぶCVOだけに搭載を許されたハイパワーエンジンを、あえてネイキッドモデルに投じてそのパワーを存分に体感させようという目論見のSシリーズ。海外での試乗機会に恵まれた今回、日本の排ガス規制対応型ではないリミッターオフのローライダーSを体感することができた。
ロー&ロングスタイルにドラッグバーというハンドルチョイスから、力自慢のクルーザーというイメージが先行していたが、実際のローライダーSは意外なほどクイックな動きでワインディングを駆け抜ける能力を見せつけてきた。ロースタイルなので、コーナーでバンクさせれば当然ステップが地面に接地する。そこであえてステップを踏み込み、緩やかにスロットルを捻っていく。するとどうだ、1801ccエンジンが凄まじい爆発力を生み出し、その強烈な加速をもって前を走るバイクを抜き去ってしまう。まさに秒殺だ。
モンスターと形容していい凶暴なメガクルーザーは、「ハーレーでスポーツライドなんて」という考え方に埋もれてしまっている人にこそ乗って見てほしい一台だ。
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