ハーレーダビッドソン2015年モデルのひとつとして日本上陸を果たしたストリートボブリミテッドは、その名のとおりダイナファミリーのストリートボブをベースとするファクトリーカスタムモデルだ。しかし、従来モデルがチョッパースタイルなのに対し、このリミテッドはその面影すら感じさせない凶暴なストリートドラッガーへと変貌を遂げている。
注目はそのポジションだ。一文字型のドラッグバーをドッグボーンライザーというカスタム要素の強いアイテムが支え、フットポジションは足を前に突き出すようなフォワードコントロールとされる。実際に走り出してみると体が“くの字”になるようなタイトなポジションを強いられ、ライダーと車体が組み合わさって、より攻撃的なシルエットが生み出される。さらにツインカム96エンジンが生み出すパワフルなトルク感が、乗り手のテンションをさらに引き上げる。オートバイとして曲がる.ということを犠牲にしたからこそのスタイリングである。
アメリカで人気のモータースポーツ、ドラッグレースに登場するドラッグレーサーそのままの姿で、ひとたび走り出せば野太い鼓動とともに、アクセルをワイドオープンしたくなる魅力が秘められたリミテッド。それでいてグラフィックはクラシカルなものとされ、そのアクの強いキャラクターとは裏腹にハーレーのロゴは控えめで小さなものだ。
日本では馴染みが薄いビッグツインでのストリートレースも、このモデルとともに過ごすだけで日常とすることができるだろう。「このモデル、凶暴につき」という張り紙をしておきたい一台だ。
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