2006年にニューモデルとして登場したツーリングファミリーのファクトリーカスタム、ストリートグライド。15年モデルからストリートグライドスペシャルへとアップグレードされ、17年モデルで新型ビッグツインエンジン、ミルウォーキーエイト107が搭載された。
110年を超える歴史を持つハーレーの旗艦ファミリーであるツーリングモデルは、言うまでもなく大陸横断バイクだ。それゆえツーリングモデルには旅を快適にする豪華装備が与えられてきた。つまりプラスのカスタムを施すというアプローチで進化を遂げてきたわけだ。
しかしストリートグライドが登場したことにより、その概念は覆ることになった。ツアラーをチョップするという新発想で生み出されたストリートグライドは、旅するための豪華装備を捨て去り、スタイル重視でマーケットに投入されたのである。サスペンションのローダウンやロープロファイルのウインドシールドを見れば明らかなように、旅の快適性よりスタイリングを優先したモデルになっている。
最新の17年モデルではミルウォーキーエイト107に加え、前後サスペンションも強化された。研ぎ澄まされたスタイリングと新たなパワーを手に入れ、完成の域に達したとも言える。
Vツインエンジンの重低音サウンドを轟かせながら荒々しく加速するストリートグライドスペシャル。それは例えるならV8エンジンを積んだマッスルカーのようなテイストであった。強いアメリカを象徴する豪快な乗り味。これがハーレーダビッドソンの進化なのだ。
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