古きよき英国車の佇まいが魅力のロイヤル・エンフィールド。英国の二輪黄金期を支えたブランドのひとつとして知られていたが、現在はインドを拠点に生産を続けているブランドである。同社の特徴として、まるで50年代からタイムスリップしたようなスタイルが挙げられるが、最近では近代的なアップデートを果たしている。今回紹介するのもそんな一台だ。
ブリット500は、排気量500ccのOHV単気筒を搭載する同社フラッグシップモデルだ。
これまで同社のモデルは、古典的なOHVエンジンにキャブレターを組み合わせていたが、現車は最近の排気ガス規制に合わせてエンジンを完全に新設計し、フューエルインジェクションを搭載して登場したのだ。
とはいえ、OHV+FIの乗り味一体どんなものなのか、実は少し心配だった。だが、走らせてみるとその独特のトルク感にノックアウトされた。スロットルを開けることがとても気持ちが良い! ロングストロークの単気筒らしい低速からのドコドコ感は、それだけで価値があると言っても良い程だ。
もちろん絶対的な性能では現在の250ccにも及ばない部分もあるが、フロントディスクブレーキや現代的なハンドルスイッチを装備するなど、旧車に触れたことがない人でも、安心して往年の雰囲気を楽しむことができる。
古いスタイルのまま現代まで生きながらえてきた二輪界のシーラカンスも、その良さを失わずに進化を遂げている。ぜひその乗り味を身体で感じてみて欲しい。
|