原付2種というカテゴリーは、スクーターが主役と思われがち。ところが、ここにきてスポーツモデルの人気が急加速中だ。その起爆剤のひとつがカワサキのZ125プロだ。
前後12インチホイールを採用したコンパクトなシャシーに、排気量124ccの4ストローク単気筒エンジンを搭載。カワサキの誇るスーパーネイキッド、Zシリーズに連なる1台に相応しい、スタイリッシュなフォルムが与えられている。
乗り味はというと、スパルタンな外見と相反してフレンドリーで汎用性に満ちたもの。エンジンのキャラクターは実にフラットかつスムーズで、クラッチミートからレブリミットまで、トルクが落ち込むような回転域もなくキレイに吹け上がる。パワーの盛り上がり感などは希薄なのだが、排気量を考えれば無理のないこと。むしろ、ストレスなく吹け上がることを賞賛すべきだ。
街中では、四輪をリードできる速さを備えているし、速度域の高いバイパスでも流れに乗ることに苦労はない。ミッションは4速リターン式。通常の走りでは、1速から3速で事が足りる。4速でレブリミットまで引っ張るのは、それなりの時間と距離が必要で、巡航時のオーバードライブ的な使い方が向いているだろう。
驚かされたのが高速域のスタビリティでコンパクトなシャシーに、小径ホイールという、安定感を出しにくい車体構成を考えれば、出色の出来だ。また、車格からするとシート高は高めだが、その分ポジションが大柄でリラックスできるのも好印象。ファンバイクとして、コミューターとして、さまざまな使い方が楽しめそうな1台だ。
|