リッタースーパースポーツが、各メーカーの技術の粋が結集されたハイパーマシンの象徴となって久しい。スーパーバイク選手権に参戦するベースマシンであり、一般ライダーにとっては憧れの存在でもある。
各メーカーがそれぞれにコンセプトを展開。目指す究極の方向は同じであっても、マシンキャラクターには個性豊かにコンセプトが具現化されている。そんな中、スズキのポリシーは一貫して不変である。狙いは「サーキット最速」と単純明快で、そのために走りの基本性能「走り、曲がり、止まる」を高水準化させてきた。しかも、その進化はあくまでも着実で、従来まで培ってきたものを正常進化させるというもの。だから、突然、ベクトルが変わるなんてことはない。
新型は全てが生まれ変わり、また随所にモトGPマシンGSX-RRの技術が還元されている。でも、今日的に進化しようが、歴代のGSX-Rを知る身には、これがGSX-R以外の何物でもないと信じることができる。限界時の挙動にも信頼を寄せることができるのだ。
もちろんエンジンは、197psという最高出力のみならず、低速域からの繋がり特性に関しても最強である。また車体は、しなやかさで挙動をいなし、今日的にコントロール性を高められ、電子制御装置とのマッチングも絶妙に、高次元の走りを可能にしてくれる。
それでいて、歴代のGSX-Rがそうであったように、公道にも順応できる寛容性さえ持ち合わせている。まさに伝統の革新の融合形である。
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