2002年の登場から欧州で高い評価を受けていたVストローム1000がフルモデルチェンジして登場した。まず大きく変ったのはその外観だ。旧モデルは直線を基調とした大型フェアリングがフロント周りを形成していたのに対し、新モデルは比較的すっきりしたもの。特徴的な鳥のクチバシのようなオーバーフェンダーと、その上に設置されたスズキらしい縦型2灯ヘッドライト。そこから続くシュラウド、タンクの造形は近未来的ながらも80年代に活躍した同社のラリーマシン「DR-Z」を彷彿とさせるデザインだ。
実車を目前にして思うのはメガアドベンながらスリムでコンパクトなこと。実際に押し引きしてみても軽い。228sという車重は決して軽くないが、それを感じさせないのはシャシーが優秀なためだろう。気になる足付きは、身長168cmの小柄な筆者でも片足ながら安心できる接地感。ポジションも手を伸ばせばそこにハンドルがあり、ステップの位置や着座位置、スイッチの操作感、視界範囲など、乗車姿勢でどこにも無理がなくニュートラルな印象だ。
市街地、高速道路、ワインディング、フラットダート、使うシーンが変わってもVストローム1000は、とてもナチュラル。穏やかでトルクフルなエンジンのおかげでストレスのない爽快なライディングが楽しめた。またダートにおいてはスズキ初となるトラクションコントロールのおかげで、後輪が暴れることもなくスルスルと走破。ABSとともに雨天や滑りやすい路面ではかなりのアドバンテージになるだろう。
日本人にジャストのメガアドベンとして、今後『人気車種』確定の1台だ。
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