軽量コンパクトな原付二種スクーターのアドレスV125シリーズに、ニューデザインをまとい、従来型以上に利便性が向上したS仕様が追加された。
この8月から発売が開始となったこの新型は、上級版のSと、盗難抑止アラームや前後クリアウインカーレンズを省いたSベーシック(価格はSよりも1万500円安い)の、2タイプ設定となっている。
ボディは、エッジが効いた流線デザインが多く取り入れられ、スタイリッシュかつ上質なイメージがアップ。リヤビューも、リヤフェンダーを絞り、ウインカーレンズをボディサイド部に流すことなどで、より躍動的で存在感があるものとなった。従来型より10度も後方側が立ち上げられたマフラーや、メーターまわりなどの細部に配されたカーボン調の樹脂パーツも、スポーティイメージのアップに貢献している。
ただし、見た目のボリューム感は増したものの、実際の車体サイズは相変わらず超コンパクトで、狭い路地や激しい渋滞路でも、ストレスを感じず操れる。
それでいて、従来型よりもライポジに余裕があるのは、出っ張りが減ったインナーポケットによって、ライダーのひざまわりスペースが増したため。シート最前部とインナーポケットの距離は、5.5cmも増えている。もちろん、インナーポケットの容量は十分に確保されたままだ。
これまでの動力性能は、まずなによりも、軽い車体と低速重視のエンジンによるスタートダッシュのよさが魅力だった。それは、この新型でも変わっていない。ECMやキャタライザーなど、細部の見直しはされているが、相変わらずゼロスタートから元気に加速を開始。加速騒音規制の関係から、中速域ではややマイルドになる領域があるものの、それもごくわずか。そして高速域でのひと伸びがある。
さすが、長年に渡り通勤通学スペシャルの代表格となってきたアドレス。この新型S仕様も、市街地走行でユーザーが求めるものがなになのか、本当によくわかっているのだ。
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