バイク試乗レポート:SXV450/550
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試乗レポート アプリリア SXV450/550

 アプリリア SXV450/550

遂に登場したモタード専用マシンは
ワークスマシンそのままという過激さ
ライダー・文=後藤 武 写真=aprilia
必然から生まれた専用マシン
SXV450/550 最近「モタード」という言葉を聞く。正式な呼び方はスーパーモタード、もしくはスーパーモト。オンロード80%、オフロード20%のコースで戦うレースのことだ。これまでモタードの車両はオフロード車を改造して17インチホイールと強力なブレーキを装着。足まわりのセッティングを変更することがほとんどだった。これがストリートでも面白いということで、最近ではいろいろなメーカーが市販モデルをリリースしている。
 世界的に人気のカテゴリーだけにレースは毎年急激にレベルアップ。世界選手権では過激な大ドリフトや、まるで格闘技か、とも思えるようなデッドヒートで注目を集めるようになった。ところがここで問題が出てきた。ライダーのレベルが高くなりすぎて、ベースがオフロードマシンでは性能が追いつかなくなってきてしまったのだ。それなら専用のマシンを作ってしまおう、ということでできあがったのがアプリリアSXVというわけだ。
 フレームはスチールパイプのトラス構造だし、エンジンはVツインにインジェクション。スイングアームはアルミのボックス構造でリヤタイヤはなんと180という太さ。デザインはまんまロードスポーツだ。違うのはオフロードでも扱えるように軽量にして、ジャンプに耐えられる長いサスペンションを装備したこと。こうなると、これまであったスーパーモタードとはオンロードでの走りが段違いなのは当たり前。SXV550の場合は約70馬力を発生しているから、パワーは80年代の750ロードスポーツ並み。でもって車重は半分以下の120kg。これでどれだけすごい走りをするか想像がつくだろう。ヘタなリッターマシンよりよほどすごい。
 オンロードモデルにしか乗ったことのないライダーは、スーパーモタードをゲテモノ的に見てしまうためか拒絶反応を示すこともあるのだが、このマシンは別。長年ロードレースで鍛えたノウハウを注ぎ込んだマシンだけに、ロードモデルから乗り換えても違和感はほとんどない。タイトコーナーの多いスーパーモタードを考えて設計されているため、日本のワインディングにはベストマッチ。Vツインエンジンは振動もなく、広いパワーバンドで乗りやすい。峠を走るとしたら究極のオートバイということになる。
 ただし、このマシン、いいことづくめ、というわけではない。じつは量産車でありながら、スーパーモト世界選手権に出場しているワークスマシンとほとんど同じなのだ。ちょっと軽量化してマフラーとロムを変更したらワークスレーサーと同じ性能を発揮してしまう。そりゃあすごい、といって飛びつく人も出てくるかもしれないが、問題は耐久性。レーサーとして頻繁な整備をしなければ性能が低下するばかりか、トラブルが発生する可能性も高い。そういうことを納得して、きちんと対応できる人以外にはお薦めしない。ただ、それさえ理解して購入するのなら、ほかにはない興奮と感動が待っていることは間違いない。さあ、どうする?
SXV450/550 倒立のフロントフォークはジャンプに備えて200mm以上の長いストロークを持っているが、オンロードでのハードな走りでもまったく不足はない。 SXV450/550 φ320ウェーブディスクにラジアルマウントキャリパーとロードスポーツ顔負けのブレーキ。効き、タッチともにすばらしい。
SXV450/550 リヤタイヤは180サイズ。モタード専用設計でスイングアームの幅が最初から広くなっているからこそ、この太さが使える。レース用スリックも装着可能。 SXV450/550 スイングアームはアルミのボックス構造。オフ車ではまず見られない。ハイパワーとレーシングタイヤのグリップを受け止める剛性。
SXV450/550 メーターは小型多機能。セッティングに便利な簡易型のタコメーターやシフトのタイミングを知らせるフラッシュライトも装備される。 SXV450/550 同社のロードスポーツ、RSVミッレと似たデザインのテールランプやウインカー。小さな排気口がフェンダー下、左右からかすかに顔をのぞかせる。
SXV450/550 フレームはトラス構造のスチールパイプとアルミ鋳造部品を組み合わせ、最適な剛性を生む。RXV(右下)とはアルミ部分の寸法が異なる。 SXV450/550 エンジンは77度VツインSOHC4バルブ。単体重量で31kgという軽さ。騒音と排ガスの点でシングルに比べ有利なため、今後はツインが増えてくるかも。
SXV450/550
上は世界選手権に出場しているスーパーモタードのワークスマシン。デザインはまったく同じ。エンジンに使われている部品もワークスをベースにしている。(写真・内海光博)
SXV450/550
SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 2220×800×-- (mm)
最低地上高 318 mm
ホイールベース 1495mm
シート高 918mm
乾燥重量 128kg
排気量 449 cc(549 cc)
タンク容量 7.8 L
ボア×ストローク 76 ×49.5 mm (80 × 55 mm)
変速機 5速スーパーモタード用レシオ
ホイールサイズ F 3.50× 17 R5.50× 17
タイヤサイズ F120/70 × 17、R180/55 ×17
*( )内は550
オフロードバージョンRXVも登場
が、いまのところ日本への導入は未定

こちらはエンデューロモデルのRXV。見た目は似ているようだがSXVとはずいぶん違う。タイヤサイズに合わせてフレーム、スイングアームの幅、クランクケース寸法が狭い。また、エンジンもピストン、カム、ミッション、インジェクションなどがそれぞれに最適な設計となっている。オフロードも魅力的だが、日本への上陸は未定。
スーパーモタードってどんなレース?

オンロードとオフロードを組み合わせたコースで行われるレースのこと。コーナーリングでは過激なドリフト走行を見せるライダーも多く、白熱したバトルに世界中のライダーが熱狂。いまや世界中にムーブメントが広がり、日本でも「MOTO1」の名前で同様のレースが開催されている。(写真・内海光博)

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