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MT-03は同時にデビューしたMT-25の排気量を拡大したスケールアップモデルである。もともとはフルカウルスポーツ、YZF-R25／R3とプラットフォームを共有化して開発されたので、エンジンとフレーム、足周りはもちろん、主要パーツのほとんどは同じといっていい。つまり、R3のネイキッド版という言い方もできる。
MT-25と同じ車体に320ccのエンジンを積んでいるということで、両者の違いが気になる人も多いはず。排気量が約70ccプラスされたエンジンは、低中速トルクがあるので発進からして楽だし、交差点の右左折やUターンのようなタイトなコーナーでも半クラを使わずに済むことが多い。それでいて車重はR25とまったく同じなので取り回しも軽快。ついつい最高出力などのスペックに目がいきがちだが、実は普段使いでの扱いやすさも魅力だ。さらにR25に比べると全域でパワフル。コーナー立ち上がりでの力強さが一枚上手だし、直線でもトップスピードに明らかな差があった。ただし加速が鋭いぶん、スロットルやブレーキ操作に気を遣う部分もあった。その意味でR25よりもベテラン向けのモデルとも言えるかもしれない。
とはいえ、ハンドリングは素直で目線を向けるだけでラインに乗せられるし、ブレーキタッチもリニアで扱いやすい。ハンドルバーの高さもちょうど良く、適度に上体が起きたリラックスできるライポジも良くまとまっている。
扱いやすくてスポーティで見た目もいい。街乗りからサーキットまで幅広く走りを楽しめる1台だ。
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YZF-R3と共通の水冷並列2気筒DOHC320ccエンジンをMT-25と共通の車体に搭載。最高出力はMT-25の36psに対して、42psを発生。最大トルクは3割増しの30Nmだ。
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