カフェレーサーのキマリはクリップオンハンドル(セパレートハンドル)と昔のレーサー風のシングルシートだ。60〜70年代に流行ったこのスタイルを、ヤマハが見事に現代に蘇らせた。ベースはBOLT。見た目には前傾がキツイ感じなのだが、乗れば全然そんなことはなく、ネイキッドを少し低くした程度。街乗りも楽。この、ちょっと伏せたぐらいの方がらしくて、気分が出てくる。
その秘密はBOLTより後ろだが、バックステップというほどではないステップ、座面が路面に平行で落ち着きやすいシート、見た目ほど低くないハンドルだ。ライディングポジションがイイのだ。ちなみにシートはシングル風だが、ちゃんとダブルの2人乗り仕様(デートもできる)。表皮もデザインも洒落ている。
いまや貴重な空冷エンジンは、低中速重視の設定で、鼓動感があって、リアの蹴り出しがはっきりしている。60度Vツインの不等感覚爆発(300〜420度間隔)ならではだ。右1本のマフラーから吐き出される音も太い(うるさくはない)。
EFIはデュアルボアφ35mmスロットルボディと、各気筒1個配置された4ホール・2方向噴射インジェクターを装備し、ECUは32ビット。エンジン内部も鍛造ピストン+メッキシリンダーで、ロッカーアームはベアリング使用のローラーロッカーを採用している。こうした最新の素材・技術があってこそ、こうしたグッドフィーリングと乗りやすさが生まれてくるのだ。ハンドリングは落ち着きがあって馴染みやすい。
だから誰にでもこのカフェレーサーは薦められる。本当に洒落たカフェに行くのも、コレなら似合うハズ。
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