アグレッシブなスポーツライディングを楽しめることこそドゥカティの真骨頂だと言えるが、これまではオフロードというセグメントに限っては積極的に踏み込んでこなかった印象があるのもまた事実。しかし今回、ムルティストラーダの新作に乗って、ドゥカティがついにこのカテゴリーに本気を出してきたなということがよくわかった。ダートでの走破性が高く、走りがアツイのだ。
もちろん従来のムルティストラーダでもダートは走れたが、1200エンデューロはオフにより特化している。フロントホイールを19インチ化し、リアには細身のタイヤを履く。前後サスペンションのストローク量を増やし、最低地上高を上げるだけでなく、エンジンのギア比もローギアードにして未舗装路での扱いやすさを向上。低速時でもギクシャクせず、徐行時やタイトコーナーでも半クラッチが不要となった。
マフラーも浅い川なら入れるようハイマウント化され、クチバシのように見えるノーズも長く伸ばし、前輪が巻き上げる泥を抑える。
林道、そしてタイヤを履き替えてクローズドコースも走り込んだが、その巨体を忘れて汗をかくほど夢中になって攻め込む走りを楽しめた。
トラクションコントロールのおかげで、想定外のスリップダウンを恐れずに済み、アクセルをどんどん開けていける。ライディングモードがあることで長時間のオフロード走行も疲れにくく、そして間違いなく目的地により速く到達できる。
従来からの高速巡航性の高さは健在で、ワインディングも軽快。燃料タンク容量も20→30Lに増え、よりタフな冒険マシンとなった。
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