「Sixty2」というネーミングは、ドゥカティが米国向けに初代スクランブラーの発売を開始した'62年に由来している。当時はサーフィンなどの若者文化が花開いた時代であり、その頃流行ったポップなデザインが特徴となっている。
排気量は先に発売されたスクランブラーシリーズの約半分となる400ccで日本では普通2輪免許でも乗れるドゥカティとして、若者層を中心に人気が高まりそうだ。
さっそく跨ってみるとけっこう大柄で、サイズとしては800cc版と同じ感じ。上体が起きた楽なポジションで足着きもすこぶる良い。ハンドル切れ角も35度と十分ある。
鼓動感がありスムーズに回るエンジンは800cc版と似ているが、実はフィーリングがちょっと違う。まず排気量が半分なのでパワー的に大人しめなのは分かるが、低回転域が安定していて発進やノロノロ運転も意外と得意。その意味でも街乗りに向いている。それでいて800cc版以上に高回転まで伸びるし、パルスが細かいので振動も少なく疲れにくいなど、Sixty2独自のキャラクターを持っている。
400ccということでハンドリングもさぞ俊敏かと思いきや、意外と安定志向で、ホイールベースが15mm伸びたせいか高速道路のレーンチェンジなどもねっちりしている。もちろん、スリムなLツインに専用160サイズの細めのリアタイヤならではの軽快さはあるのだが、良い意味で安心できる落ち着きのある乗り味と言っていい。雰囲気だけでなくスポーティな走りも楽しめる点はさすがドゥカティ。しかもその魅力に最も気軽に触れられるモデルである。
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