ストリートツインは、トライアンフが久々に全面刷新した「ニューボンネビルシリーズ」のなかで、もっともモダンなデザインと軽量&コンパクトな車体を持ったモデルである。位置付けとしては、従来シリーズの前後17インチキャストホイール仕様のボンネビルの後継と言っていい。
伝統の並列2気筒エンジンは新設計となり、水冷化されるとともに排気量を900ccに拡大。ロングストローク化と270度クランクの採用によって低中速域からのトルクをアップさせたことで、一発一発の鼓動がさらに明確に感じられるようになった。排気量は違うが、たとえるならサンダーバードシリーズの270度クランクと似た粗粒なパルス感が特徴。軽量な車体を生かして加速も俊敏だ。
また電子制御化も一気に進んだ。ライド・バイ・ワイヤによるスロットルのフィーリングは自然で、ニッシン製の前後ディスクブレーキはABSの作動感も穏やか。トラクションコントロールも滑りやすい路面ではしっかり作動する。アシスト&スリッパークラッチでレバー操作が軽くなった点も嬉しい。
ハンドリングは軽快かつ安定感があり、特にフロントの接地感が豊富。新型ではフロント18インチ化に加え、ピレリの専用タイヤを装着していることも大きく貢献しているようだ。
伝統の中にもモダンなエッセンスを加えたデザインは新鮮で、ディテールの作り込みにも手をかけている。さらにシート下にUSBポートを設けるなど、現代のIT化に対応した装備も気が利いている。
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