4年ぶりにフルモデルチェンジを受けたスピードトリプルR。エンジンをかけると、排気音は先代よりややマイルドになった感じだが、それでいてVツインよりスムーズで直4よりもコブシの効いた鼓動感など、トライアンフ製3気筒独特のフィーリングは新型でも健在である。
エンジン本体の大幅な改良とライド・バイ・ワイヤーの導入によって、出力特性もよりスムーズになった。先代のゴリゴリとしたトルク感も捨てがたいが、新型は全域でよりフラットで穏やかな特性になっている。「R」ならではのオーリンズ製前後サスペンションのおかげで乗り心地も快適だ。
峠道に入ると車体の軽さはさらに引き立ってくる。燃費向上のおかげで燃料タンク容量が2リッター分減ったこと、「R」はカーボンパーツの採用でバネ下重量を低減していること、そして試乗車には純正オプションのARROW製サイレンサー(STDより1.5kg減)が装備されていることも効いている。また、5psパワーが上乗せされたエンジンは特に常用域でのトルクが厚く、ピックアップも良いため車体が機敏に動いてくれるのでハンドリングも俊敏である。「R」に装備されたブレンボ製ブレーキは精度の高さが伝わってくるタッチ感で、レバーを握り込んでいったときのストローク量も豊富なため、コーナー進入での速度コントロールが抜群にしやすい点もメリット。万が一の場合にはABSが心強い。
なお、ツーリング性能を高めるためのバッグ類やスクリーンバイザーなどの純正オプションパーツも充実しているので、自分の好みや目的に応じてカスタムするのもいいだろう。
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