スカウトは1920〜40年にかけてインディアンを代表する名車として名を馳せたモデルだが、69キュービックインチ=1130ccの水冷Vツインを搭載して現代に蘇った。
その走りは、どっしり身構えてエンジンの鼓動感を楽しむクルーザー然としたもののなかに、軽快なハンドリングとパワフルなパワーユニットからなるネイキッドモデルにも匹敵するかのようなスポーツ性能を持ち合わせ、エキサイティングなライディングも楽しめるから面白い。
懐古的なヴィンテージテイストだけでなく、現代的なパワーフィールを獲得したエンジンは低中回転域から力強く、高回転まで淀みなく回りスロットルレスポンスも鋭い。
そしてエンジンのハイパワーに負けぬよう鋳造アルミ製としたメインフレームは剛性感が強く、ハイペースな高速クルージングでもカッチリとした車体を保持させている。
エンジンはフレームにソリッドマウントされているもののカウンターバランス機構によって不快な振動がなく、路面追従性の良いサスペンションのおかげもあって乗り心地が良い。デザートタン・レザー製のソロバケットシートも見た目の美しさだけでなく、お尻全体をしっかりホールドし、長距離ランでも快適だ。
そんな先進的なライディングを堪能できながら、優雅でグラマラスなエスカルゴフェンダーや、ステアリングヘッドから前後アクスルに至るトライアングルフレーム、20年代から続く象徴的なエンブレムなど伝統に彩られたかつてのスカウトをモチーフとした装備を随所に採用しているのもマニア心をくすぐるもの。かの名作が帰ってきた!
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