ホンダから久々の新型原付スクーターが発売になった。『ダンク』とネーミングされたこの新型スクーターには、2012年にPCXに搭載され、世界各国で高い人気を得ているeSPエンジンの新開発50cc版を搭載。さらに、これまでに無いスタリングで、新しい市場開拓を狙っている。
注目ポイントは環境性能に優れたeSPエンジンで、低フリクションと軽量化、アイドリングストップ機構などにより、従来型ホンダ製50ccに比べ、燃費を約10パーセント向上。電子制御式ACGスターターによるエンジンの始動はスムースで、アイドリングストップ後の発進もスロットルを開けるだけで瞬時にスタートできる。
エンジンは、低速域から力強く、信号からのスタートダッシュもクルマに遅れを取らない十分な加速をみせる。滑らかな走りで速度に乗って行き、気付けば原付の制限速度に達しているといった感じだ。
タイヤサイズは原付で主流の10インチながら直進安定性は高く、交差点で切れ込むような動きもない。さすがに、路面のギャップには弱いものの、ハンドリングはクセもなく自然な印象だ。ブレーキは、左側レバー(後輪ブレーキ)が前後連動になっており、安全性にも配慮されている。
グローブボックスには、アクセサリーソケットを備え、シート下ラゲッジにはフルフェイスヘルメットが収納できるサイズを確保するなど、想定されるユーザー層を見すえた装備も魅力。さらに、受け入れられやすいシンプルなデザインは、どんなライフスタイルにもすんなり溶け込みそう。満を持して発売になった『ダンク』は、停滞する原付市場の起爆剤になりそうな予感がするバイクだった。
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