すでに、一般ユーザーが街で乗っている姿をよく見かけるようになってきたCRF250Lは、ホンダの国内オフロード系としては久々の新型としてマーケットに投入されたモデルだ。
エンジンは、11年春に新登場したCBR250R用がベース。オフロードでの走行を考慮して、低中回転域を重視した仕様変更が行われ、最高出力はCBRより4馬力少ない23馬力。しかし、その吹け上がりは非常に軽く、車両重量がCBRより18kgも軽いこともあって、高回転をキープし続けた際の加速力は、なかなかのものだ。
一方で、低中回転域トルクは十分に確保され、それほど回転数を上昇させなくても、快適に走れる。
この扱いやすくも意外と元気なエンジンは、新作スチール製フレームや倒立フロントフォーク、アルミ製スイングアームなどで構成された車体と組み合わされる。前後ホイール径は、公道用オフ車としては大定番の21/18インチだ。
前後サスのストロークはたっぷり確保されているが、オンロードでも動きすぎて困るようなことはない。そして、未舗装路へと分け入れば、期待以上の走破性を発揮する。シート高は875mmとやや高めで、小柄なライダーが両足を着きながらトコトコ走るのは難しいかもしれないが、そもそも車体のバランスが非常に良いため、足を着くシーンは少なくて済む。
ハイレベルなパーツがふんだんに採用されているわけではないが、そのぶん車両価格はかなり低め。走りと価格のバランスで言えば、超お買い得なモデルである。
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