重厚長大というイメージが強いツアラーモデル。しかし、ここ数年の傾向は、そんなバイクであっても、洗練された軽快なイメージが必要になってきたようだ。今回、マイナーチェンジが敢行されたゴールドウィングもその例に漏れず、従来モデルを踏襲しつつ各部をブラッシュアップ。スポーティーさとエレガントさが融合されたスタイルへと進化した。
その変更箇所は多岐におよぶが、ハイライトは、フロントカウルの意匠変更にともない、サイドビューに流れるようなラインを形成したことと、ヘッドライトユニットの内部がメッキからブラックに変更されたこと。さらに、リアのランプ類がコンビネーションタイプに変更されたこと。それらによって、これまでよりも軽快な印象が付加されている。
それでも圧倒的なボリューム感は健在で、フラッグシップモデル然としたたたずまいは、ゴールドウィングならではのものだ。
とはいえ、実際に乗ってみれば、実は扱いやすいバイクであることに気付く。車両の重心が低く、バックギアもあるため取り回しは良好。また低いシート高のおかげで、身長163cmの筆者でも両足を路面に着けることが可能だ。ポジションも、バックレストに腰を当てて座っても手が伸びきることがない。排気量1800ccの水平対向6気筒エンジンは低回転域からトルクに溢れ、Uターンや渋滞路でも扱いやすい。軽快なハンドリング、レスポンスのいいエンジン特性と相まってワインディングも楽しめる作りとなっている。
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