バイク試乗レポート：XR400モタード

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試乗レポート　ホンダ　XR400モタード

ホンダ　XR400モタード

XR400、モタードとなってストリートに初見参!

写真=増井貴光　文=松井勉

パワーは400使い勝手は250級

　03年の250モタード登場以来、その走りの世界を広げる排気量にもっとバリエーションを、という声は少なくなかった。そして今、XRシリーズに400モタードが加わったのである。
　オフロードレーサーであるXR400Rのエンジンをベースにセルモーターを装備。ストリートユースの味付けを施した、CLやCB400SSと同系列のユニットだ。これに専用の吸排気セッティングとファイナルレシオを与えることでピックアップの良さを追求。しかもアクセルのドンツキ的な荒っぽい成分を押さえた設定となっている。また、駆動系にハブダンパーを備えることも、扱いやすさを追求したための装備だ。
　これらによって、「使いやすいから開けられる。だから、速く楽しく走り続けられる」という、XRらしいスピリットを見事に継承することになった。
　アイドリングでは振動も少なく控えめだが、クラッチをつなぐと250とは別世界のゆとりが待っていた。100km／hまでの加速も、回転を引っ張るというよりも、いつも通りのタイミングでシフトアップを続けながら、ワイドオープンするという感じ。排気量の大きなバイクらしい乗り方をするだけで、簡単にその速度に到達するのだ。
　ダンピングが強めに効いている前後サスの恩恵もあって、ブレーキングでも250モタードより姿勢変化が穏やか。リヤに履くラジアルタイヤの路面とのコンタクトも絶妙で、雨のワインディングでもしっかりと接地感を伝えてくれた。
　パワフルになったエンジンと、しっかり感を全面に出したシャシーのおかげで、スペックの額面から受ける以上に楽しませてくれる。軽く、しかもパワフル。そんなモデルを探しているならお勧めである。

φ43のインナーチューブ径を持つ倒立フォーク、17インチのホイール、そしてφ245のディスクプレートが走りを支える。

ワイドな4インチリムに140／70R17を履くリヤのグリップ感は高い。路面の細かいギャップの吸収性も高く、乗り心地も良い。

250同様のメーターまわり。余談だが、外装パーツのサイズなどは250と同じなので、カスタムパーツを流用することも可能。

クリーナーボックス外側の空気の流れも計算し、ツキが良く扱いやすい特性を作り出した。実走テストから生まれたものである。

伸び、圧側ともに減衰圧調整のダイアルを備えるリヤサス。XRシリーズとしておなじみの風景がそこにはあった。

全長×全幅×全高	2140×810×1140（mm）
シート高	855mm
ホイールベース	1450mm
最低地上高	220mm
乾燥重量	131kg
エンジン	空冷4サイクルOHC4バルブ単気筒
ボア×ストローク	85.0×70.0（mm）
総排気量／圧縮比	397cc／8.8
最高出力	30ps／7000rpm
最大トルク	3.4kg-m／5500rpm
燃料タンク容量	9.7L
燃料供給	キャブレター
ミッション	常時噛合式5段リターン
ブレーキF	油圧式シングルディスク
ブレーキR	油圧式ディスク
タイヤサイズF	110／70-17
タイヤサイズR	140／70R17
ボディカラー	ロスホワイト、エクストリームレッド
メーカー希望小売価格	63万円

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