ハーレーに乗り始めて5年が経過
自らの言葉で独自の世界を築き上げてきた
シンガー&ソングライター、橘いずみさん
旅に出ることの楽しみや
自分と向き合う大切な時間をもたらしてくれた
白いスポーツスターは
すでに彼女のカラダの一部なのだ |
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「白い稲妻」……橘いずみさんの愛車、スポーツスターの愛称だ。スポーツスターから降りた橘さんは身長はさほど高くない(155cmぐらい?)が、驚くほど足が長い。「子供のころから足が長くて小学校低学年のころにはまわりに気味悪がられた」こともあったとか。ところが高学年から中学生のころには「みんなから、せん望の眼差しでみられるようになったよ」と笑う。いくらローダウンしたスポーツスターとはいえ、この身長で両足ベッタリつく女性ってあまり見たことがない。
橘いずみさんは、心の底をストレートに暴き出すような鮮烈な歌詞を、パワフルなボーカルで表現するシンガー&ソングライターだ。しかし、そんな姿をイメージできないほどにこやかに、橘さんはスポーツスターといっしょに登場した。「ハーレーに乗りたくて」免許を取った。あっけらかんと笑う。話してくれる言葉に気負いがない。まるで以前から知っているかのように話しかけてくれた。
「古いトライアンフとかカワサキのWだっけ? 知人にそういうの勧められたんだけど、結局、音でハーレーに決めました」。5年前の2000年に新車でパールホワイトのスポーツスターを購入。体型に合わせて(足は長いけど全体のサイズは平均的な女性のそれ)通常よりも手前に引かれたハンドルを装着。ついた足をもう少し踏ん張れるようにシート交換とローダウンなどもしてある。街なかを乗ることもあるが、主にツーリングで距離を稼いでいるそうだ。
最近はひとりっきりで2泊3日のロングツーリングに出たという。「4月に和歌山や奈良を走ってきたの。ひとりってスッゴク楽しかった!」。今回の旅は本当に「行って良かった」と感じたという。
「30歳だからこう、40歳だからこうでなくちゃ……なんていう固定観念を気にしてちゃダメ。今、本当にしたいことをドンドンするべきだなって」。最近思うのだそうだ、「まわりの目を気にしている場合じゃない」と。言葉にすると簡単に感じるが、人は「自分」という見えない糸で縛られている。それを断ち切るのは、自分でかなり思い切らないと難しい。そんな見えない何かを断ち切る道具として橘さんには「白い稲妻号」があるのだという。
上の写真、橘さんの後ろにはご自身の書いた「書」がある。
文字は「素」だ。
「書道を始めて8年。現在は八段にまでなれました。最初はね、友人に誘われて何の気なしに始めたの。最近になってとっても楽しくなったんだけど、こんなに続くとは思ってもみなかった。でね、せっかくここまできたから「師範」になりたいの!」と意気込む。
「バイクもそうだけど書道もすごくシンプルなんだよ。黒(墨)と白(紙)、赤(朱印)しかない世界で自分を表現するんだもの。シンプルなものが好きだなぁ。それは自分のカラーに染めやすいからだけど。自分の色に染める作業が楽しい。もちろん歌もそう。どれもこれも気負った気持ちがなかったものが続いてる。気負うと続かないからな〜! ハハハハハ!」
人間気負うと肩に力が入ってうまくいかない。「私ってまわりにリードされるとうまくいくみたい。来るもの拒まずって感じなのかな? ひとりでのツーリングもそうだった。走り出すと心細い。けど、目的地に着いたときの喜びとか、人と話せたときのうれしさとかがみんなと走るときより心にしみたの」
以前はバンドで行っていた音楽活動も、最近はアコースティックギター1本でステージをこなしている。そこから発せられるメッセージは、以前にも増して深い。橘さんの書いた「素」という字にこめられた彼女自身の「今」が、手に取るように感じられるようだった。
純粋な楽しみとしてオートバイに乗る。それは自分の鋭気を養い、みんなに伝えるメッセージに自信という裏付けを与えてくれる。「白い稲妻号」は橘さんとは切っても切り離せない存在として輝いている。きっと、これからもずっと。
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←3月に行われた東京某所のカフェでのミニ屋外ライブの模様。2005年中ごろからアコースティックな音造りにもトライする。 |
今年は
アコースティックギター1本抱えていろんなところでライブをやります! |
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1968年兵庫県生まれ。1992年にシングル/アルバム「君なら大丈夫だよ」でデビュー。93年発表の「失格」でキャラクターを決定づけ、その後「バニラ」、「サルの歌」、「永遠のパズル」などをリリース。これまでに11枚のアルバムを発表。エッセイ集刊行や舞台への取り組みなど、活動は多岐にわたる。最近では尾崎豊トリビュートアルバム『BLUE〜 A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI』に参加、「路上のルール」を収録している。 |
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