ヘリテージブームの前から販売されてきたCB1100シリーズ。その欧州仕様が、2017年型で刷新された。EX仕様は、フランジレス燃料タンクの採用、ヘッドライトのLED化、吸排気系の変更、サイドカバーやフェンダー類をはじめとするデザインの見直しなど、印象は従来型と変わらなくても変更点は多岐にわたる。そして、これぞヘリテージともいうべき、クラシカルな外観に現代的なスポーツのエッセンスを加えたRS仕様を追加。前後17インチホイールと専用の車体ディメンションで、気持ちよい乗り味を追求してある。
942cc空冷Vツインエンジンを搭載したボルトをベースに、ヘリテージモデル化したのがSCR950。半世紀近く前のオフロードモデルであるスクランブラースタイルとするために、後輪を大径化して前後19/17インチのスポークホイールとして、ブロックパターンタイヤを装着。シートフレームも一部が新設計され、車体の装備とデザインは徹底的に専用化してある。正立フロントフォークにはブーツを装着。ワイドなフラットハンドルとロングシートで、オフロードイメージを高める。
スタンダードが3年前に新発売され、2016年にはスクランブラーが登場したRナインTシリーズには、2017年型でさらにカフェレーサーとピュアがバリエーション追加される。スクランブラーと同じく、両仕様ともフロントフォークは正立化され、燃料タンクはアルミ製ではなくスチール製に。カフェレーサーはセパレートハンドルとロケットカウルで70年代風スタイルとし、ピュアはその名が示すように純粋なロードスタースタイルを追求している。装備変更で価格低減も狙う。
BMWのRナインT登場あたりから人気が集まり、ドゥカティのスクランブラー発売開始やヤマハのスポーツヘリテージライン確立で根づいた、欧州におけるヘリテージのブームは、2017年も継続。各ブランドからニューモデルが登場して、いよいよ一時のトレンドではなく定番のスタイルとなったようだ。 単なるクラシカルスタイルではなく、かつてのスタイルと現在の技術を融合させるのが、ヘリテージの大原則。スタイルとしては、カフェレーサーとスクランブラーが2大テーマに君臨して、現代技術としては電子制御機構をさりげなく配するのがトレンドとなっている。 日本市場でも新機種投入は多く予定されていて、これまで以上に注目を集めるカテゴリーとなりそうだ。
バーチカルツインエンジン系が水冷化された2016年型で、一度は姿を消したトライアンフクラシック系の代名詞でもあるスクランブラーが、新たな車名を与えられながら復活。こちらは900cc仕様のエンジンを使う。ボンネビルを現代風にアレンジしたカフェレーサー系のストリートカップ、現行ボンネビルT120の印象的なシルエットと装備を受け継ぐT100も、同じく高トルク型の900ccエンジンを搭載。バリエーション拡充で選ぶ楽しみがさらに増えた。
ドゥカティのスクランブラーシリーズは、803cc空冷Lツインエンジンを搭載して、2015年型で新登場。2016年には399cc仕様も追加されて5バリエーションとなったが、2017年には803cc仕様にカフェレーサーが追加され、アーバンエンデューロに代わるニューモデルのデザートスレッドと合わせて6機種体制となった。カフェレーサーは、前後17インチホイールを履き、エンド部にバックミラーを備えたセパハンを採用。デザートスレッドは、前輪19インチ化などでオフ走行性能を高めてある。
予想
※中古車相場価格は、GooBike.com調べ
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