全身で風を浴びながら、日本の美しい景色をゆったりと自分のペースで楽しむ
威風堂々とした、いかにもバイクらしいスタイルには、わかりやすいカッコよさがある
道を急ぐことなく爽快にツーリングを満喫するなら、クルーザーは最高の相棒となる!
Text/Tohru Tamiya Photo/Satoshi Mayumi・GooBike編集部
GUIDANCE
そもそも“クルーザー”って?
ハーレーダビッドソンやインディアンなどのメーカーによって、1930年代ごろに米国で確立されたモーターサイクルの車体形状で、起伏が少なく直線が続く道路を、ゆったりと巡航することに重点を置いたスタイルを採用した車種のこと。日本では「アメリカン」と呼ばれることも多かったが、近年は世界的な呼称の「クルーザー」が使われることが増えた。日本の国内4メーカーや欧州のブランドでも、数多くの機種が古くからラインナップされている。
スタイリッシュに街を遊びゆったりと旅を堪能する!
まっすぐな道がどこまでも続くような北米大陸で、独自のスタイルをつくりあげてきたのが、クルーザーカテゴリーである。
ゆったりとしたライディングポジションと、トルク重視型のエンジンを採用するのが、その基本形となる。排気量はさまざまで、普通二輪免許で乗れる機種や、過去には原付モデルまで存在したが、やはり主流はトルクに余裕があるミドル以上のクラス。本場のアメリカだけでなく世界中で、このカテゴリーの中心的な位置づけとなっているブランドは、言うまでもなくハーレーダビッドソンだが、日本や欧州のブランドにもたくさんの機種が用意されていて、伝統的なクラシックスタイルからクルーザーとしてはスポーティなモデルまで、好みに合わせて選ぶことができる。
クルーザーの魅力は、バイクの性能に急かされることなく、優雅に巡航(=クルージング)を楽しめるところにある。日本には、北米大陸のように延々と続く直線道路というのはほとんどないが、たとえワインディングを中心としたルート構成であっても、ゆったりと景色や風の匂いを感じながらツーリングを楽しめるという長所を味わうことができる。
クルーザーの中には、大きなフェアリングを装備する機種もあるが、多くは走行風を多めに浴びながら走るスタイル。そのため比較的涼しい機種が多いというのも、このカテゴリーが持つ魅力のひとつ。まだ残暑が厳しいこの季節に、クルーザー生活をスタートするのもお薦めだ。