プレミア化は、現在にはない機構への注目や中古車の減少によるレア化ばかりが要因ではない。
物語に登場したことで、一気にプレミア化の道をたどったバイクの例も少なくないのだ！
話題のマンガやテレビドラマ、映画などで主人公が操る姿が描かれたことで、一気にブームとなったバイクというのも数多くある。なんて書くと、「それは昔の話。バイク人気が社会的に低迷しているいまは・・・」と否定的な意見も出そうだが、逆に現在はグローバル化により、日本のマンガやドラマは世界中にファンがいる状態だ。バイクではないが、近年には「某ジャパニーズマンガの影響で、とある中古ヘルメットがマレーシアで大暴騰」なんて例もあるのだ。プレミア化しそうなバイクを探すなら、メディアチェックもお忘れなく!?
- 海外の映画で頻繁に登場する、トライアンフのスピードトリプル。
マンガ、テレビドラマ、映画に登場して大ヒット
過去にもそんな例は多いぞ!!
主人公が操るシーンに影響を受け、数多くのライダーが支持するようになった機種の一例がこちら。
短中期のブームで終了することもあれば、そのままプレミア状態が維持されることもある。
テレビドラマで空前の大ブームに
- 中古平均価格◎18.5万円
- 00年放送のTBS系テレビドラマ「ビューティフルライフ」で、主人公を演じた木村拓哉がライド。196cc空冷シングルだ。
ヤマハ TW200の中古車を探す
ヤマハ TW200のカタログマンガに登場して大ブレイク
- 中古平均価格◎32.9万円
- 87～10年にかけて掲載誌を移しながら掲載されたマンガ「キリン」。そのほとんどの編で主人公が乗る空冷4発モデル。
- 中古平均価格◎63.6万円
- 83～91年に週刊少年マガジンで掲載された「バリバリ伝説」で主人公の巨摩郡が愛用。79年発売の空冷並列4気筒車だ。
もしかしたら・・・これから来る???
これから映画やテレビドラマなどで使われそうな機種を予想するというのは、はっきり言って至難の業だ。というよりも、そんなこと不可能に近い。それなら・・・と考えてみたのは、「ヒーロー戦隊系にカスタマイズしやすそうな機種」。つまり、独特なスタイリングを持ち、ちょっとした変更で未来感を演出できそうなバイクだ。もっとも、戦隊系がプレミア化につながるとは、あまり思えないが・・・。
- 新車価格◎99万9000円～
- 近未来をテーマに開発された、14年登場の745cc並列2気筒モデル。DCTにより、クラッチ操作を必要としない。
- 新車価格◎237万6000円
- ヤマハが当時の最新技術を惜しみなく投入して開発した、1679cc水冷V4エンジンを積む09年新登場の現行車。
今後の価値を考えるよりいまの好みで選ぶべし！
異常なまでにプレミア化されているバイクの値段を見ていると、「それなら次の愛車は、10年後に価値が上がっていそうなものを！」と、つい素人考えしてしまう。
しかし、この特集で紹介したように、バイクがプレミア化する要因は多様で、高騰しそうなバイクを予想するのはかなり難しい。「限定車が高くなる」なんていうのはだれにでも容易に想像がつくことだが、「ずっと不人気だったのに突如としてブームになる」という現象に関しては、ほぼ予測不能。「古くなれば高い」というのは、比較的当てはまる傾向だが、中には「古くなったら鉄クズ扱い」なんて機種がないわけではないので、これも絶対ではない。「テレビドラマで有名俳優が乗ったら・・・」なんて要因に至っては、ほとんど宝くじが当たった状態だ。
さらにそもそも、バイクを投機目的として扱うなら、室内保管できる場所なども必要。ガンガン使い倒すわけにいかない。しかし一方で、バイクはどんどん走らせてこそ、その楽しさを味わえる趣味ツールだ。
なんてことを考えているうち、必要以上にプレミア化のことを意識して愛車を選ぶことが、バカらしくなってきたひとも多いかもしれない。結局のところ、「いま自分が乗りたいバイクを買う。気にせずガンガン乗って楽しむ。もしも、いつか愛車を手放すときにプレミア化していたらラッキー」くらいのスタンスでいるほうが、充実したバイクライフを送れるのではないだろうか？
