日本でもその傾向が顕著になってきたが、欧州ではアドベンチャーカテゴリーの人気と注目度が高まりつつある。
メーカーは、そんな市場のニーズを黙って見ているわけがない。
15年に新登場するアドベンチャーは多数あるのだ。
とくに最近の傾向として、よりオンロードを重視した仕様のモデルが、勢力拡大を図ろうとしているぞ!
海外初披露から
間を開けず国内仕様が
12月に発売開始
ホンダの欧州向けアドベンチャーモデルとして活躍してきたVFR800Xクロスランナーは、15年型で最新のVFR800Fベースへと刷新された。そして14年12月、国内仕様のVFR800Xが新登場となった。
このミドルアドベンチャーは、走行状況に応じてバルブ駆動数が切り替わるハイパーVTEC機構を備えた排気量781ccの水冷V4エンジンを搭載。国内仕様も、欧州仕様と同じ105馬力を発揮する。エンジン制御には、兄貴分のVFR1200Xにも使われている、2段階+オフに切り替え可能なトラクションコントロール機構も採用。標準装備されるABSと合わせ、さまざまな路面状況での安全な走行に貢献する。
車体は、VFR800F譲りのアルミ製フレームと片持ち式スイングアームの組み合わせ。サスペンションストローク量を増やし、足長スタイルとなっている。
また、オートキャンセルウインカーとグリップヒーター。さらに国内仕様は、ETC車載器とメインスタンドも標準で装備し、ツーリング時の利便性を高めてある。
シート高は835mmだが、工具を使えば20mmの低減も可能だ。
- ホイールは前後17インチ径で、オンロードを重視した設定。
- MT-09のバリエーションモデルとして今年から販売が開始されるトレーサー。MT-09のエンジンとフレームに、LED仕様ツインヘッドライトと可変式スクリーンを備えたフロントカウルや、高さ調整ができるシート&ハンドルなどで、アドベンチャーモデルに仕上げてある。トラクションコントロールも装備。847cc水冷並列3気筒。
- 従来型の縦2眼ヘッドライトから、ニンジャシリーズを思わせる切れ長のフロントマスクとし、カウル形状やグラブバー、リアショックのプリロード調整方法などを改良する変更。デビュー4年目となる15年型で、新たなスタイルを手に入れた。アドベンチャー系としては異色となる並列4気筒エンジン(1043cc水冷)を搭載している。
その他、海外メーカーのライバルたち
- 15年型で、連続可変バルブタイミング機構を採用したテスタストレッタDVTエンジン(1198cc水冷Lツイン)を新採用する刷新。電子制御系や外装類も熟成!
カテゴリーのベンチマーク
アドベンチャーというカテゴリー全体で考えると、いまも昔も市場をけん引してきたのはBMWのGSシリーズだ。実際、このカテゴリーのメイン市場となる欧州では、BMW R1200GSの販売台数はライバルの一歩上を行くことが多く、他メーカーはこれをベンチマークとして捉える傾向にある。ただし近年は、GSの世界観よりもオンロード志向の機種が増え、迎え撃つBMWは15年型としてS1000XRを投入。GSのブランドを崩すことなく市場ニーズに対応する。中古車をタマ数で見ると、BMW GSもしくはドゥカティのムルティストラーダが多い傾向にある。
- 中古相場価格◎200万円
- 伝統の水平対向並列2気筒エンジンを搭載。13年型で、以前の空油冷から空水冷となり、合わせてエンジンと車体の両方に大幅なモディファイが加えられた。