エンジンと並んで、バイクのキャラクターを決める大きな要素となるのがフレームだ。
骨格の違いによって生まれる、走行性能とスタイリングの違いに着目してみよう!
鉄にするかアルミがいいか
形状はどれが好みなのか?
バイクの基本骨格を構成するメインフレームは、走行性能やスタイリングの違いを生みだす重要項目。これにこだわって愛車を選べば、自分が求める走りが手に入れられる!?
一般的には、スチール製よりもアルミ製のほうが軽量高剛性だが、だからと言って必ずアルミのほうが良いというわけではない。アルミフレームは生産コストが上昇する傾向にあり、それが車両価格に跳ね返った製品もある。しなやかさという点では、スチール製に軍配が上がる。さらに、機種によってはエンジンを強度メンバーとして利用した設計が行われているため、鋼管フレームであってもカチッとしたフィーリングになっていることもあるのだ。
もちろん、フレームの違いが生みだすスタイリングも重要。これは好みの問題だが、太くたくましい骨格に憧れているなら最新のアルミ製ツインスパー、フレーム単体としての造形美を求めるなら鋼管トラスフレームあたりを候補にしたい。
ちなみに、欧州ブランドの中にはKTMやドゥカティのように、鋼管トラス構造を多くの機種に採用するブランドが多い。いっぽうで国内4メーカーは、その技術力を生かして、高剛性アルミツインスパーの開発にも積極的な傾向だ。またヤマハのように、スチール素材のように見えてアルミ製とか、その逆なんていうフレームを手がけることもある。エンジン上部を渡るボックス状のアルミモノコックフレームを採用したカワサキのZX-14Rなど、独自の路線を進んだ機種も存在。どれも鉄の棒やアルミの角材を使った同じような構造に見えるかもしれないが、奥はとても深いのだ!
- 見た目にも美しいトラスフレーム
- 「トラス」とは、三角形を基本単位として、その集合体で構成する構造体のこと。この技法を用いたのが、バイクのトラスフレームだ。素材には鋼管(スチール)が使われることが多いが、ときにアルミ材が使われることも。設計時に剛性バランスを調整しやすく、しなやかさを生み出しやすい。
- DUCATI STREETFIGHTERS(2012)
- 時代の最先端!? ハイブリッドフレーム
- ふたつのモノを組み合わせてひとつにしたモノという意味を持つハイブリッド。バイクには、異なる素材を組み合わせたハイブリッドメインフレームというものもある。ヤマハ公道用市販車のWR250シリーズは、メイン部がアルミ製、ダウンチューブ部がスチール製となっている。
- YAMAHA WR250X(2011)
- コンベンショナルなダブルクレードル
- フレームのヘッドパイプ部から、エンジンの下部を包み込むように左右2本のパイプが伸びた、昔ながらのフレーム形状がダブルクレードル。現在はほとんどの場合で鋼管素材が使われる。スポーツ性では他の形状に一歩譲るが、落ち着いたスタイリングの確立にも欠かせない。
- KAWASAKI ZRX1200 DAEG(2011)
- 軽量高剛性を求めたアルミツインスパー
- ヘッドパイプ部からリアスイングアームの接合部にかけて、左右2本の太いフレームで構成されたツインスパーフレーム。中でもアルミ素材でつくられたモノは高い剛性を誇ることが多く、フレームの質量をまとめることで車体バランスの向上に貢献するなど、スポーツ志向である。
- SUZUKI GSR400 ABS(2013)