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国産バイクの夜明け 60’s←50’s

 日本で、初の国産バイクが生み出されたのは1909年。関西の技術者、島津楢蔵が作り出したNS号がそれだ。その後は、欧米のバイクをコピー生産するメーカーが少しずつ増えてくる。そして、第二次世界大戦の後、日本のバイクメーカーは爆発的に増殖。50年代半ばには、国内に150余りのバイクメーカーが存在していたのである。
 しかし、60年代後半にさしかかると、そのほとんどは淘汰され、現在もバイクの生産を続けているのはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキだけだ。かつては、外車のデッドコピーでしかなかった国産バイクだが、この4メーカーはコピーで終わらない独自性を発揮し始めた。その兆しが見え始めたのが50年代後半から60年代にかけての時代なのだ。

HONDA Super Cub C100
HONDA Super Cub C100

空冷4ストロークOHV単気筒 49cc
最高出力:4.3ps/9,500rpm 重量:55kg
全長×全高×全幅:1,790×945×575(mm)
中古車価格帯 10万円〜 37.8万円

バイクだけでなく四輪を含めた全ての輸送用機器で、単一シリーズとして歴史上最も多く生産されたスーパーカブの初代モデル。現在もインジェクション化された新設計エンジンを搭載したモデルが生産されている。

YAMAHA YDS1
YAMAHA YDS1

空冷2ストローク2気筒 246cc
最高出力:18ps/7,500rpm 重量:151kg
全長×全高×全幅:1,990×950×615(mm)
中古車価格帯 該当車両なし

“2ストロークのヤマハ”を確固たるものにしたスポーツバイク。浅間火山レースなどで活躍した、ワークスレーサーのレプリカ的存在で、国産市販車初の5速ミッションを装備。ロードレースとモトクロス両方で活躍した。

HONDA Dream Super Sport CB72
HONDA Dream Super Sport CB72

空冷4ストロークSOHC2気筒 247cc
最高出力:24ps/9,000rpm 重量:153kg
全長×全高×全幅:2,025×950×615(mm)
中古車価格帯 68万円〜 98.9万円

ホンダ初の本格的スポーツモデルとして、爆発的な人気を獲得した1台。世界市場を見据えて開発され、大型バイク中心のアメリカでも大きな支持を得ることに成功した。エンジンの完成度は高く、レースでも活躍した。

SUZUKI T20
SUZUKI T20

空冷2ストローク2気筒 247cc
最高出力:25ps/8,000rpm 重量:145kg
全長×全高×全幅:2,030×1,030×765(mm)
中古車価格帯 該当車両なし

25psというハイパワーを持ち、当時のハイテクが注ぎ込まれた車両として話題を呼んだ。その頃の2ストロークエンジンは混合給油が一般的だったが、分離給油式を採用。6速ミッションは、国産車としては初装備だった。

KAWASAKI 650W1
KAWASAKI 650W1

空冷4ストロークOHV2気筒 624cc
最高出力:45ps/6,500rpm 重量:199kg
全長×全高×全幅:2,135×1,090×865(mm)
中古車価格帯 70.4万円〜 126万円

カワサキが吸収したバイクメーカー、メグロのK1に搭載されていた500ccエンジンを624ccまで拡大。当時の国産車で最大排気量を誇ったカワサキ初の世界戦略車。エンジンとミッションは別体式で、シフトのチェンジペダルは右足側にある。

HONDA A型
HONDA A型

世界最大のバイクメーカーであるホンダのスタートは、自転車に取り付ける補助エンジンだった。自社で初めて開発したのがホンダA型。完成車両ですらなくエンジン本体と補機類、取り付けアタッチメントがセットになった汎用キットとして売られたもので、最高出力は1.2psだった。

 日本が高度経済成長期に入ると、バイクメーカーも急成長をみせる。バイクの技術的には2ストロークエンジン全盛期。エンジンが軽く、小排気量で大パワーを引き出せる2ストロークエンジンは、バイクに適したエンジンとして多用された。また、各メーカーの方向性が明確化してくるターニングポイントでもあった。

YAMAHA Trail 250 DT-1
YAMAHA Trail 250 DT-1

空冷2ストローク単気筒 246cc
最高出力:18.5ps/6,000rpm 重量:123kg
全長×全高×全幅:2,060×1,130×890(mm)
中古車価格帯 58万円〜 80万円

オフロードバイクといっても、ロードバイクの改造車が当たり前だった時代に登場した本格的オフロードモデル。“トレール”という言葉を一般化させオフロードブームを起こした。

KAWASAKI 500SS MachV
KAWASAKI 500SS MachV

空冷2ストローク3気筒 499cc
最高出力:60ps/7,500rpm 重量:190kg
全長×全高×全幅:2,095×1,075×835(mm)
中古車価格帯 73.5万円〜 250万円

市販バイクで世界初の時速200km/hを達成。ピーキーなエンジン特性と不安定なハンドリングから、乗り手を選ぶマシンとして知られる。刺激的な乗り味は、現在でも人気が高い。


SUZUKI GT750
SUZUKI GT750

水冷2ストローク3気筒 738cc
最高出力:67ps/6,500rpm 重量:235kg
全長×全高×全幅:2,215×1,125×865(mm)
中古車価格帯 73.5万円〜 250万円

水冷2ストロークの3気筒エンジン搭載。中小型車中心だったスズキ初のナナハン。“4ストローク6気筒に匹敵する”とカタログに謳われた、スムーズなエンジン特性が特徴。


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