今でも続く世界最速へのチャレンジ
21世紀に入っても、二輪メーカーが世界最速マシンにかける意気込みは緩むことなく、むしろさらに劇的に加速している。それはなぜか?もちろん、それらを求めるライダーたちが世界中に数多くいることもその理由のひとつだ。しかし、それ以上にメーカーにとっては、世界最速レベルのエンジンや車体を生み出すことでしか得られないモノがあるからに違いない。市販車の最高速は、100km/hがやっとという時代から50年足らずで、200km/hの壁を破った。そしてそれから20年あまりの間に遂に、300km/hの壁を打ち破った。その進化の度合いたるや恐ろしいほどである。
巷でメガスポーツと呼ばれている車両は多くの場合でそのメーカーのフラッグシップといえる車両ばかりだ。フラッグシップ(=旗艦)とは、つまりメーカーの技術を惜しみなく投入したその時代の最高傑作を指すのである。
今回は、現代を代表するメガスポーツにスポットを当ててみたい。紹介するのはカワサキのZZR1400、スズキの隼、そしてBMWのK1300Sだ。いずれの車両も、世界最速クラスのトップスピードを誇るハイスピードツアラーだ。その圧倒的なポテンシャルを見ればどれも同じ目標を掲げているようにも思えるが、各メーカー独自のアプローチで車体が作られており、知れば知るほど面白い。たとえ300km/hオーバーの世界や、圧倒的なパワーに興味がなくとも、そこにはライダーをひきつける大きな魅力やメカニズムが隠されているのだ。
最新の技術が投入される。それこそがフラッグシップマシン!
非現実的ともいえる速度域では、車体にかかる負担も半端ない。
エンジンと車体、そのトータルバランスがもっとも重要なのだ。
街乗りから300km/hオーバーの世界までをカバーするエンジンには、そのメーカーが蓄積した技術が全て詰め込まれている。
スピードメーターを見ればメーカーの本気度が分かる!
左は隼、真中はZZR1400、右はK1300Sのメーター周りだ。スピードメーターに刻まれている目盛りは『夢』ではなく、現実。
メーカーの自信の表れとも言える部分だろう。