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エリア情報 北関東エリア 長野県・信州
中央自動車道を経由して近くて遠い土地に入る
 長野県といえば、群馬県のすぐおとなりだ。古い言い方をすれば信濃の国だから、関東甲信越とひとくくりにされるくらい身近な土地である。それなのに、なぜか縁遠く感じているのは私だけだろうか。
 上信越自動車道が全線開通になってずいぶんと経つので、北関東からのアクセスはかなりよくなっている。また個人的には、所用で足を運ぶこともときにはあるので、まったく知らない土地じゃあない。だけど近県のわりには、思いのほか走る機会が少ない土地だという印象が強い。
 今回、そんな長野県に向かった最大の理由は、大自然のなかを走りたかったからにほかならない。騒がしすぎる街から離れ、適度な涼しさを求め、そして、どこまでも続くワインディングロードを自分のペースで存分に走るために選んだ場所だ。
 しかも、中央自動車道で向かうことにした。当然、東京を経由することになる。普段の私なら、混雑を避けるために都心を通らずに済むルートを設定しがちだが、あえて変化を付けてみたのだ。それは、新たな発見を期待してのことである。
 そんなわけで、中央自動車道を東京から岡谷ジャンクション方面へと向かった。途中、右手には八ヶ岳、そして左手には南アルプスの山々が見えてくる。大自然のなかに本格的に身を投げ込んでしまったと実感するのは、この辺りからだ。単なる移動の区間を終え、目的の走りを楽しめるエリアに入りつつあることを、なんとなく感じることができる。
 1日目の最終的な目的地は松本市の宿である。だが、長野自動車道の松本インターチェンジまでは行かず、中央自動車道の諏訪インターチェンジで降りる。山岳地帯を経由しながら……つまりワインディングを楽しみながら、目的地に向かうためだ。
 もちろん、せっかく諏訪インターで降りたのだから、市内の観光はぬかりなくこなす。諏訪湖周辺には数多くの観光スポットがあるのだが、そんななかで私が立ち寄ったのはまず、諏訪大社だ。
 ここは、全国各地にある諏訪神社の本社であるという。私の生まれ育った茨城県日立市にも諏訪神社があるが、やはりこの諏訪大社とゆかりがあるのだろうか。
 また、同じく日立市の諏訪には、この信州の諏訪に通じているとされる鍾乳洞、「諏訪の水穴」がある。もちろん本当に通じているわけではないだろう。でも、初めて立ち寄ったにも関わらず、長野県の諏訪市には非常に身近な感じがしてならなかったというのが正直な気持ちだ。
北アルプスを駆け上がり松本盆地を見下ろす
 諏訪湖からは、中山道を経由してビーナスラインに乗る。峠道を登り、尾根を越え、そして高原へと向かう道だ。目前には終始、気持ちのよいロケーションが広がっている。見渡す限り山々という眺めのなかで、普段は味わえないほどのすがすがしさに浸ることができる道だ。
 標高が増すにつれて心地よい涼しさとなる。そして十分にライディングを楽しめるだけの道のりが続いたことも良かった。
 美ヶ原高原を抜け、山を下りて松本市街に入ると、今度は蒸し暑くなってくる。松本が盆地だからなのか、信号での停車が増えたからなのか、それとも高い山から下りたところだからそう感じただけなのかは知らないけど、ジャケットのファスナーを全開近くまで下ろすことになった。
 松本といえば、まず松本城の天守が有名だ。それは国の重要文化財であり、国宝でもある。また、市内には、旧開智学校をはじめ数々の歴史的な建物が残っている。それらは見応えも十分で、お城マニアや建築マニアじゃなかったとしても、そこそこ満足できるに違いない。
 ところで、ちょっと情けないのだが、私は北アルプスと言われても、それがどのへんを指すものか今までまったく知らなかった。今回のツーリング出発前に、地図とにらめっこしていて、やっとわかったという程度だ。ただし、その山々が美しいといわれていることは知っている。だから「北アルプス」なんて呼ばれているわけだろうから。
 もちろん、その「北アルプス」の山々を見ることも、今回のツーリングの目的のひとつ。ただ、残念なことに、この日はあいにくの曇り空だった。松本市内から西の方角を見ても、山の裾しか見えない。
 ……北アルプスがきちんと見えないことが、どうにもくやしかった。松本まで来て、このまま帰るなんて、とても納得できないと思った。そこでだ、ちょっと別な方法で北アルプスを味わうことを考えてみた。
 それは、北アルプスを直接目指すという手だ。そして結論から言えば、極めて短絡的な方法で、山を目指すことにした。具体的にはまず、持ち合わせていた地図を開き、松本側から山に向かって伸びる道を探す。そして、バイクで行けるところまで、その道を登っていく。
 もちろん、山頂まで続くような道は地図には載っていない。なるべく標高のありそうなところまで続く道を選んでトライした。結果、行き着いたのは大滝山への登山道入り口。
 その、北アルプスの登り口付近には、松本盆地を広く見下ろせる、絶好のビューポイントがあった。
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