夏といえばやっぱり山だよね、なんていうと異論を唱える人も多いんだろうなあ。いや、もちろん俺だって海は大好きだ。あのきらめくような海原、そのちょっと手前の波打ち際で遊ぶ、ホントにキラキラした水着姿の女の子を眺めながら、だらしなく飲むビールのうまさときたらもうオヤジにはこたえられないものがあるでしょ。
でもね、そこにバイクが絡むとなると話は変わってくる。今までの経験から、なぜか海沿いには気の利いた抜け道が少なく、当然ハイシーズンの海なんてのは、わざわざ渋滞にもまれに行くような感じさえする。じゃあ「海はあきらめて山にすっか」なんてことをタンデムシートの彼女に言おうものなら、間違いなくその先にあるはずの明るい未来になんらかの悪影響を及ぼしかねない。
それに比べると、山のなんとす
ばらしいこと。どうぞ走ってくださいと言わんばかりに道は曲がりくねり、渋滞時に重宝する脇道も海より断然多い(気がする)。運がよければ(人によっては悪いが)怪しいダートなんかを発見することだってあるし。万がいち目的の山がダメでも、そのすぐ隣りには似たような別の山があるし。それがダメならあれもあるし……。そう、自分の性格同様、よくいえば臨機応変というか、つまりはいい加減なこの山の感じが、バイクで走る上ではすごく大切なんだな。まあ、俺にとっては、だけど。
というわけで、無性に山へ行き
たくなった俺は勢い、週末を利用して、目的地を群馬県嬬恋村周辺とだけ決めたファジーなツーリングに出かけることにした。ただでさえ雨の多い季節、事前の情報では高い降水確率となっていた週末の天気だったが、意外にも予報ははずれ見事な快晴に。雨男らしからぬこの展開に驚きつつもテンションは急上昇、まずは高速をひた走り軽井沢へと向かった。
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