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走りに行こう! そう思い立っても、この季節は目的地をどこにすべきか非常に悩む。もちろん、行き先が見付からないなんてことはありえない。道路は家の前からどこまでも続いているのだから、気の向くところを目指せばいい。それがツーリングの醍醐味でもある。とはいうものの、真っ先に思い浮かぶようなメジャーなコースには、それぞれ訪れるべきタイミングってものがあったりする。
たとえば、もう少し暖かくなってからが見ごろを迎える花畑や、真夏になってから行きたい避暑地、果物が熟す季節が旬の土地、といった具合に。そういう行き先はやはり、シーズンになるまで取って置いたほうがいいに決まっている。半端な季節に訪れても、期待外れとなるに違いない。
ならば、当面向かう予定がないような場所に……ということになるのだが、もうひとつ避けておきたいのは北の方角だ。まだまだ寒いだろうし、雪が残っている場所だってあるに違いない。
結論としては、気候の温暖な方角に向かい、比較的マイナーなところをまわる。それに加えて個人的には、できることなら自然豊かで広く見渡せるような風景をコースに含めておきたいとも思っている。というのも、せっかく空気が澄んだ冬なのだから眺めの良い場所は外したくないのだ。
そんな諸々の理由から、今回のツーリング先として選んだのは、千葉県の養老渓谷周辺だ。そこはちょうど房総半島の真ん中あたり。地図を見る限り自然や田舎チックな風景にはこと欠かない場所だと想像できる。
ガイドブックによれば、紅葉時期が一応のシーズンということになっているが、前にふれたメジャーなコースでもないし、逆に今なら混雑なしで観光スポットも見てまわれるはず。のんびり走るには、今こそ狙い目のシーズンといえるかもしれない。
さて、前置きはこのへんにして、現地に入ってからの話に移ろう。
周辺散策の起点としたのは養老渓谷駅。駅前の看板には観光マップが掲げられているので、手持ちの地図と照らし合わせながら、詳細なコースを考えることもできる。自販機もあるから、お茶も飲める。観光客は予想通りほぼ皆無だったので、駅前にバイクを停め、駅舎の中でしばし落ち着いていても、だれの邪魔にもならない。
観光マップを見る限り、この周辺の見どころは、渓流と滝、周辺の山々とハイキングコース、そして寺社がおもだったところ。まずは、いくつかの滝を巡ってみることにした。ところが、今の季節は水量が少ないようで、どの滝も迫力に欠けていた。
水に触れて楽しい季節でもないので、このへんはさっさと切り上げ、今回のメインイベント、大福山の展望台まで上る途中で発見できる、周辺の山々へ続く林道に話しを進めよう。
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